つるちゃんのマックノート彗星観測記

 今日は1月14日。マックノート彗星は近日点を通過し、これから彗星は一気に南下して、日本からは二度と見ることはできなくなる。先週あたりから日の入り後の超低空で彗星を見たという話も聞くが、とにかく超低空でかなりの難物。昨日は条件的に今日よりもまだマシなだったはずだったが、西空が曇っていてあきらめた。つるちゃんの休日のことを考えても今日が観測できる限界。
 
 昨年スワン彗星を見た西空が開けた場所へと急ぐ。ここは海岸だから、西から南西方向は完全に開けている。西空に目をやると水平線に太陽の下のへりがかかっている。オレンジ色の太陽が水平線へ吸い込まれるように沈んでいき、地球が自転していることを実感する。日中あんなに明るかった太陽も、最後には点の輝きとなって、そして完全に消えてしまった。なんという美しさ・・・。
 
 でも、今はそんな感動に浸ってはいられない。マックノート彗星を見るんだ! 気合は入るが、低空には細い雲が縞模様のように並んでいる。当然のことながら、まわりはまだ明るいし、西の空一体はまさにオレンジ色。しかも彗星の高度は3度しかないという超がつく低空で、20分ほどで沈んでしまう。果たしてこんな状態で淡く拡がったマックノート彗星を見つけられるのか???

2007年1月14日 超低空に見えるマックノート彗星

マックノート彗星の位置

 低空を70mm×10倍の双眼鏡で丹念に探してみるが見つからない。目を凝らしてもう一度探してみるが、やはり見つからない。彗星は雲の中にあるのか。それともこんな明るい空で彗星を見ることは、やはり無理なのか?
 
 もうあきらめかけていたとき、少しだけ上の方へ視野をずらしてみた。すると、あった!!! 黒っぽい雲の端に、小さく白色に輝く彗星を見つけた。しかも、短いながらも尾が見える。さすがは−2等級とか−3等級といわれるだけのことはある。こんな条件で彗星がまともに見えるとは思っていなかっただけに、感激もひとしお。
 
 もう一度彗星を見ようと彗星を探したけど、もう見つからない。どうやら雲の中に入ってしまったようだ。ほんの1分ほどの出来事だったが、こんなに明るい彗星を見たのは初めてだ。もう少し高度が高かったらなあと思いつつ、夕焼け空を後にした。

 マックノート彗星がSHOHOの視野に