タットル彗星を双眼鏡で観測しよう 2008年1月

2007.1.2 新規

 年が明けて2008年になってからも、ホームズ彗星が話題を独占している感がありますが、そんな中、タットル彗星(8P/Tuttle)が地球へ接近しています。この彗星としては観測条件が非常に良くなっており、現在5等台まで明るくなっています。ですから、肉眼ではちょっと難しいかもしれませんが、双眼鏡を使うとその姿を捉えることができます。

おひつじ座とタットル彗星 2008年1月2日21時過ぎ

※冬型の気圧配置と正月で明石の空としては最高。おひつじ座のγ星も肉眼でOK。
固定撮影でもどうにか写った。彗星の上にある星はうお座107番星(5.2等)

タットル彗星の軌道

 タットル彗星は1858年1月にアメリカのタットル氏によって発見された彗星で、13.6年という短い周期で太陽のまわりりを回る周期彗星です。12月に活動するこぐま座流星群という流星群の母彗星でもあります。冬に回帰すると地球へ近づき、観測条件が良くなります。下の絵はタットル彗星の軌道図ですが、今回の回帰ではタットル彗星が地球へ接近し、最高の条件であることがわかります。

タットル彗星の軌道図

タットル彗星の軌道図

タットル彗星の経路

 下の絵は2008年1月におけるタットル彗星の経路です。1月上旬から中旬かけて、北から南へ一気に星座の間を駆け抜けていきます。1月下旬になると彗星はさらに南下して、北半球からは次第に観測しづらくなってきます。

タットル彗星の経路(赤道座標系による)

タットル彗星の経路(赤道座標系)

タットル彗星の見え方

 タットル彗星の光度は下の表のように1月上旬がピークで、次第に暗くなっていきます。肉眼では相当に厳しいですが、双眼鏡で観測するには十分な明るさですから、双眼鏡をお持ちの方はそれほど心配することはありません。地球との距離は1月5日で0.26AU、1月26日でも0.50AUと近いので、比較的大きな彗星像を楽しむことができます。

日付 光度
1月 5日 5.8等
1月12日 5.9等
1月19日 6.3等
1月26日 6.7等

タットル彗星の位置

 タットル彗星は秋の星座から冬の星座を北から南へ駆け抜けていきます。1月上旬はうお座付近にしますが、その後、くじら座、ろ座へと移動します。東京で20時におけるタットル彗星の位置を1週間間隔でしめしておきます。絵を参考にしながら付近でぼんやりと光る天体を探してください。

1月5日20時 タットル彗星の見える位置

ホームズ彗星の位置

1月12日20時 タットル星の見える位置

タットル彗星の位置

1月19日21時 ホームズ彗星の見える位置

ホームズ彗星の位置

12月26日20時 タットル彗星の見える位置

タットル彗星の位置

つるプラへのデータ設定

 「天文ソフト つるちゃんのプラネタリウム for Windows シェア版/フリー版」へデータ設定を行うと、タットル彗星をシミュレーションすることができます。設定方法はタットル彗星のデータ設定のページをご覧ください。

 またトップページから「つるちゃんのプラネタリウム for Javaアプレット」をたどれば、インターネット上でシミュレーションすることができます。「万能プラネタリウム」や「惑星の経路」でお楽しみください。