アイソン彗星 C/2012 S1 (ISON) 2013年11月から12月

 アイソン彗星は、11月13日頃に1等級(明るさが約2.5倍)ほど増光し、どうにか肉眼でも見える明るさになりました。その後も順調に増光を続け、11月23日には2等級まで明るくなっていました。しかし翌日の11月24日早朝は、前日よりも見え方が弱々しくなり、太陽から無事に生還できるか心配されていました。

 11月29日の近日点通過の際は、アイソン彗星が崩壊・消滅したという報道がありました。当時は彗星らしき姿が写っていましたが、核は崩壊しており、破片や気化した物質が見えているだけとのことです。今後夜明け前に姿を見せてくれるといいのですが、拡散して天の川よりも淡くなった姿を肉眼で確認するのは難しそうです。

近日点通過の直後、SOHOによって写し出されたアイソン彗星の残骸 淡くなったアイソン彗星 すっかり淡くなってしまった
提供:SOHO

(以前の内容)

 アイソン彗星は2013年11月29日、太陽表面をかすめるように近日点を通過します。この前後、アイソン彗星は過去の大彗星に匹敵するくらい、あるいはそれをもしのぐほど明るく成長すると予想されていました。
 
 しかしその後の観測により、そこまで明るくならないのではないかという悲観的な予報が出され、このページの内容を全面的にに見直しました(2013.10.20)。詳しくは明るさの予報修正をご覧ください。
 
 とはいえ、天文にそれほど興味がない人でも、尾を生やした彗星の姿をこの目で見たいという方も多いのではないでしょうか。双眼鏡の助けを借りることにより、アイソン彗星ならそれも可能ですし、うまくすれば肉眼で見ることができるかもしれません。なかなかお目にかかれない彗星を、ぜひあなたもご覧になっていただきたいと思います。

予備知識

アイソン彗星とは 国際科学光学ネットワーク(ISON)が新発見
アイソン彗星の軌道の特徴 太陽に近づくサングレイザー
明るくなることが約束された彗星 たしかにピーク時は数字上では明るくなること間違いなしだが・・・
アイソン彗星の明るさ 3〜5等級で観測可能、ピーク時は金星以上?
ボートルの限界 太陽に大接近するアイソン彗星は生き残るか?

アイソン彗星を見つける

アイソン彗星の見つけ方 いつ、どの方角に見える? 豊富な星図で見つけ方を解説!
明け方にアイソン彗星が見える位置 見るなら夜明け前がオススメ
夕方にアイソン彗星が見える位置 夕方は見づらい観測条件
昼間に観測できる? 予報よりも大増光すればもしかして? 近日点通過頃の見え方。昼間に観測するために
アイソン彗星の移動経路 前半は天の黄道に沿って移動。後半は夏の星座を一気に北上

事前準備

双眼鏡を使って彗星観測に挑戦 双眼鏡を使えば彗星らしい姿が見られるぞ!
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