彗星の正体

ハレー彗星の核から放出されるダスト 彗星はよく「汚れた雪だるま」だといわれます。ガスやチリが固まって彗星の表面や内部に蓄積されているのですが、太陽熱で熱せられると、これらは蒸発して彗星本体()から放り出されてしまいます。放り出されたガスやチリは核を取り巻き、コマが形成されます。この点が小惑星とは異なるところです。

 核の大きさは小さくて、大きなのでもせいぜい数十キロメートルしかありません。形も球形をしておらず、細長いいびつな形をしています。こんなに小さな天体が地球から観測できるのは、もちろんコマが形成されて大きく拡がっているためです。右の写真は、ハレー彗星の核からガスやチリ(ダスト)が放出されるようすです。

 彗星が太陽へ近づくと、彗星の活動は活発になって、放出されるガスやチリの量が増えてきてコマは大きく明るくなります。そして、彗星の尾も伸びてきます。一般に彗星が太陽へ3AU(天文単位)まで近づいた頃から尾が形成され始めるといわれています。