つるちゃんの日食ソフト 計算精度

 ここでは、つるちゃんの日食ソフトが持つ計算精度について解説します。

時刻に換算した計算精度

 つるちゃんの日食ソフトでは、2000年近辺で中心線付近の観測地点を選択した場合、時刻換算で概ね10秒以内の精度があります。しかし、これは経験的に示すもので、その精度を確約するものではありません。当然のことながら、この計算精度は観測地の緯度と経度および標高が秒まで正確に入力されていることが前提となります。

 地球自転のふらつきを反映させるために定められるデルタTの値は不確実なもので、将来の値はわかりませんから、現在の値から予測するしかありません。ですから、現在から離れるに従って不確実なものとなり、計算精度が落ちてくることが予想されます。このため、デルタTがわかっている場合は、つるちゃんの日食ソフトのデルタT入力欄へ、その値を入力されることをおすすめします。

 また、つるちゃんの日食ソフトでは、皆既日食での月縁補正に対応していませんから、秒単位での計算精度が必要な場合は本プログラムを使用しない方がよいでしょう。(詳しくは、日食予報の精度のページをご覧ください。)

※2009年トカラ列島皆既日食の場合、観測地とデルタTを正確に入力すると、平均月縁で計算された正確な予報値に対し、時間にして0.5秒以内の精度があるように思われます。

2012年の金環日食北限線からみた計算精度

 次に、2012年の金環日食を例にして計算精度をみてみます。この金環日食では金環帯の北限線が兵庫県明石市を通っていますので、例として明石市の拡大図で解説します。下の絵は明石市内にある西明石駅の西側付近です。これはNASA が Google MAP を使って提供しているもので、金環帯の北限線が青色で示されています。

 これに、つるちゃんの日食ソフトを使って、緯度と経度を変えながら計算した北限線が赤色のラインです。ふたつのラインを比べてみると、200m強ほどの違いしかないことがわかります。これだけでは何とも言えないところもありますが、それなりの計算精度があるようです。

金環帯の北限線でNASAの予報と比較した図
提供: NASA、Google


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