関東以西で小さな月食 2013年4月26日

 2013年4月26日の夜明け前、西日本で小さな部分月食が見られます。月食が夜明け前に起こることから、見ることができるのは西日本だけです。東の地域や北の地域では月が没んでから月食が始まりますから、月食を観測することができません。

月食が見られる地域

 2013年4月26日の月食は夜明け前に起こります。このため月没が早い地域では月食が始まる前に月が沈んでしまい、実際に月食を見ることができるのは関東地方よりも西の地域だけです。また、中部地方よりも東の地域では月食のまま月が沈む月没帯食となります。月食の始めから終わりまで完全に見ることができるのは、山口県と九州・沖縄地方だけとなってしまいます。しかし、これらの地域でも月の高度が低く、条件的には最悪といってもいいような状態です。

月食による月の欠け方

 下の図は、福岡で最大食の頃に見える月の欠け方を示したものです。月食によって月の右上がほんのわずかに欠けていることがわかります。食分は0.020ですから月の欠け方はほんのわずかで、全体の2%が欠けるに過ぎません。

月食による月の欠け方(福岡で最大食の頃)

月食の経過

 2013年4月26日の月食は4時51分に始まり、時刻は全国共通です。地球による影の縁は日食と違ってぼやけてハッキリしませんから、時間は目安程度にお考えください。月食の始まりから16分ほどが経過し、5時7分になると最大食を迎えます。食分は0.020ということで、かろうじて月食になる程度です。肉眼で見ると、月の右上側が少し暗くなっているのがわかるでしょう。最大食の後は16分ほどで元の満月に戻り、5時24分に地球の本影を抜け出して月食は終了します。食が浅いだけに、全体を通しても32分間という、短時間の月食となります。

地球の影と月の経路

 下の図は地球の影を通る月の経路を示したものです。地球本影の南端をかすめるように月が通過していくことがわかります。

地球の本影をかすめるように通る月の経路

月食が見える位置

 下の図は比較的条件の良い福岡で、月食が見える位置を示したものです。月食は南西から西の空で起こり、高度が低いのが特徴です。開始となる4時51分は最も高度が高くて7.6度ですが、最大食の頃は高度が4.6度しかなく、かなりな低空です。終了となる5時24分にいたっては、わずか1.5度しかありません。そんなわけで、西の方向が地平線付近まで広く見渡せる場所から観測するようにしましょう。

福岡で月食が見える位置

※上で示した図は「つるちゃんのプラネタリウム シェア版」に含まれる「つるちゃんの日食ソフト」プラグイン機能を使用しています。数値には若干の誤差を含みます。