部分月食 2008年8月17日

欠けたまま沈む月

 昨年の8月28日は全国で皆既月食が見られて注目を集めましたが、今年は8月17日未明に部分月食が起こります。しかし今回の場合、月は欠けたままの状態で沈んでしまい、観測条件的にはあまり良くありません。最大食分は0.81と全体の8割以上が欠けるはずなのですが、残念ながらその前に月没となってしまいます。

 下の絵は東京での月食の進行状況を10分間隔で描いたものです。月食の場合、地球の影の端が鮮明でありませんが、月はだいたい4時36分に欠け始めます。月の高度に注目していただきたいのですが、月食が始まった頃、高度は4度ほどしかありません。その後はどんどんと高度を下げて、30%弱ほど欠けたところで月没となります。

東京での月食の進行状況

東京で見る月食。しばらくすると高度がマイナスになり、西空へ沈んでしまう。

 東京と比べて西の地域ほど月没時刻が遅くなるので、その分だけ月食を長く楽しむことができます。下の絵は福岡から見た月食の進行状況です。見え方は東京の場合とほとんど同じですが、異なるのは月の高度です。月食が始まる頃、月の高度は12度ほどあり、東京の場合と比べて余裕があります。月没となる頃には月は70%ほど欠けた状態ですから、月食らしさをだいぶ味わうことができるでしょう。

福岡での月食の進行状況

福岡で見る月食。進行状況は東京とほとんど同じだが、月の高度が高い分だけ月食を楽しむことができる。

 このように、今回の月食は観測条件的にはあまり良くありませんが、子供さんは夏休み期間中ということもありますので、早起きして部分月食を楽しんでみられてはいかがでしょうか。なお、東京で観測できる次回の月食は2010年の元旦ですが、10%も欠けない小さな部分月食です。こちらは東京の月食をご覧ください。