全国で半分欠ける部分月食 2010年6月26日

見やすい時間帯に半分欠ける

 今年2010年は月食が3度見られる珍しい年です。元旦に続いて6月26日にも月食が見られ、今年に入ってから2度目の月食となります。今回は直径の54%が欠けますから、ちょうど半分といったところでしょうか。下の絵は東京で最も欠けた頃のようすです。月は右下の半分を残して地球の影に隠されることがわかります。月食が起こるのが土曜日ということや、子供さんでも見やすい時間帯であることから、親子そろって天体観測されるという方がおられるかもしれませんね。ぜひお見逃しなく!

始まり 19時16.5分
最大食 20時38.5分
終わり 22時00.3分
最大食分  0.542

東京で最も欠けた頃の月の形(全国どこでもほぼ同じ)

地球の影と月の経路

 月食は地球の影によって月が隠され、欠けて見える天文現象です。下の絵をご覧ください。地球の影のうち太陽の光が届かなくなる本影は、内側の赤色をした円形部分です。この中へ月が入ると月食が起こります。今回は本影の南端付近を通過していくことがわかります。

地球の影を通る月の経路

西日本では月の出帯食

 今回の月食は、西日本で月が欠けたまま昇ってくる「月の出帯食」となります。西へ行くほど月の出が遅くなりますから、それだけ食が進んだ状態で月の出を迎えます。

 下の絵は西日本各地の主な8地点で、月の出時刻にどれだけ月が欠けているかを示したものです。大阪では月の出時点で食分「なし」とありますから、欠け始めを観測することができます。しかし、大阪よりも西に位置する岡山では、月の出時刻の食分は0.025とありますので、ほんの少しだけ月が欠けた状態で昇ってくることがわかります。福岡ではもっと顕著で、15%ほど欠けた月の出となります。

月の出時刻にどれだけ月が欠けているか(西日本の主な8地点)

月食の進行

 月食の進行は日食と違って、日本全国どこでも同じです。つまり、同じ時刻に始まって同じ時刻に終わり、最大食分も同じです。月食の始まりは19時16.5分です。東日本や北日本では月が地平線よりも上にありますから、月食の開始を観測することができます。しかし、西日本では月が欠けた状態で、東というか南東の空から昇ってきます。

 今回の月食は見かけ上、左側から欠け始めます。時間とともに次第に欠け方が大きくなって、20時38.5分に最大食をむかえます。このときの食分は0.542ですから、半分ちょっとが欠けていることになります。この頃の月は、左上方向が欠けた状態になっています。もう少し食分が大きいと月食らしく、ほんのりと赤っぽく見えるのでしょうが、今回は微妙なところです。その後、月はもとの姿に戻っていき、22時0.3分に普通の満月にもどります。

月食が進行していくようす(22分間隔で表示)

東京での月の位置変化(月の影に対する黄色い小さな丸印が月を表す)

次回の月食

 今年3回目となる次回の月食は12月21日に起こります。西日本では皆既月食のまま月の出となる珍しい現象となり、話題になりそうです。

※このページの画像は「天文ソフトつるちゃんのプラネタリウム シェア版」に含まれる「つるちゃんの日食ソフト」プラグイン機能を使用しています。数値は若干の誤差(時間で数秒程度)を含みます。