冬の大三角

冬の大三角の見つけ方

 年も新しくなり寒風が吹きすさぶなか、南東の空を見上げると冬のにぎやかな星座たちが勢ぞろいしています。

 空の中ほど付近には冬を代表するオリオン座が斜めに傾いて見えています。オリオン座には2つの1等星がありますが、オリオンの鼓型の左上の赤い方の星がベテルギウスで、冬の大三角の頂点の1つになります。

 南東の空低くにはギラギラと輝く白色の星が見えていますが、これがおおいぬ座シリウスです。冬の大三角の2つめの頂点になります。

 シリウスの東側(左側)にはこいぬ座があります。この中にシリウスよりもだいぶ落ち着いた輝きを持つ1等星プロキオンがあります。以上の3星を結ぶと冬の大三角の出来上がりです。


冬の大三角:ベテルギウス、シリウス、プロキオン

ベテルギウス

 ベテルギウスの特徴はなんと言ってもその赤い色でしょう。恒星の色が違って見えるのは、もちろん表面温度の違いによります。太陽の表面温度が6000度あるのに対して、ベテルギウスは3800度くらいしかありません。またその大きさは太陽の1000倍にもなるという、とてつもない赤色巨星です。「四季の星座」の中にある「オリオン座」もあわせて参照してください。

シリウス

 冬の大三角だけでなく、全天で一番明るい恒星で、その明るさは−1.4等星にも達します。普通の1等星より2ランク以上も明るくて、3等星と1等星以上の差があることになります。おまけに色は白色をしているので、凍てつく真冬の夜空にあって、ギラギラと輝いているように見えます。シリウスの意味は「焼き焦がすもの」というのも納得できます。
 シリウスは2重星ですが、お供の伴星は最初に発見された白色倭星として知られています。「四季の星座」の中にある「おおいぬ座」でも説明しています。

プロキオン

 こいぬ座の1等星です。冬の大三角の3星の中では一番平凡な恒星で、太陽と同じ黄色をしています。おおいぬ座よりひと足早く東の空から昇ってくるので、犬の前を意味するプロキオンと名づけられています。プロキオンの直径は太陽の2倍あまりで、表面温度もやや太陽よりやや高いめの7000度くらいです。プロキオンも9.5等の伴星を持つ2重星です。といっても伴星が発見された時天体望遠鏡は直径が90cmもある大型のものですから、素人が手にするような小型の天体望遠鏡ではとても歯が立ちません。

他の大三角

 全天では冬の大三角の他に、春の大三角夏の大三角があります。


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