夏の大三角

夏の大三角の見つけ方

 夏の夕方に東の空から夏の濃い天の川が昇ってきます。この付近に0等星1つと1等星2つでできた大きな三角形が見つかります。これが夏の大三角です。七夕の頃ですと、21時頃、東の空の中ほどに見えます。

 しかし、光害の激しい都会では天の川はおろか、星といえば夏の大三角の3つの星ぐらいしか見えないかもしれません。つるちゃんの居住地付近も似たような状況です。

 それはともかく、とにかく東の空を見上げてみましょう。明るい星で形作られた少し細長い大きな三角形があれば、それが夏の大三角です。明るい都会の夜空では、先に話したように、東の空には夏の大三角しか見えないかもしれません・・・。夏の大三角はわし座のアルタイル、こと座のベガ、はくちょう座のデネブの3星で作られています。


夏の大三角:アルタイル、ベガ、デネブ

アルタイル

 アルタイルはわし座にある1等星で、天の川の東のほとりに位置します。アルタイルは中国では牽牛星、日本では彦星として知られています。天の川の反対側にある織姫星(ベガ)とは七夕の日にしかデートすることができません。それからアルタイルは、自転の速い恒星として知られています。「四季の星座」の中にあるわし座を参照してください。

ベガ

 ベガは天の川の西側にある小さな星座、こと座1等星です。その明るさは0.0等星で、他の1等星よりは1ランク明るく輝いています。ベガは織姫星と言われ、七夕伝説の主役となっています。

 北極星のところで話がありますように、北極星は次々と代わっていきます。12000年後にはベガが北極星として君臨することになります。このお話は「つるぷらが描く珍しい天文現象」の中にある12000年後の日周運動を参照してください。

デネブ

 夏の天の川がちょうど2つに分かれている分岐点にデネブがあります。星座絵でははくちょう座のしっぽのところに位置しています。ブネブはアラビア語で「めんどりの尾」という意味です。明るさは1.3等星ですからもう少し暗かったとしたら2等星に分類されてしまうところです。ですから夏の大三角の3星の中では一番暗い星です。しかしそれは見かけ上の話です。実際には太陽の5000倍もの光を放っている、とてつもなく明るい星なのです。仮に太陽をデネブの位置まで遠ざけたとすると、15等星にしかなりません。デネブがどれほど明るい星かということがおわかりいただけるでしょう。

 北極星が交代する話ですが、デネブはベガより少し早い8300年後くらいに北極星として輝くことになります。ベガのところで出てきたプログラム「つるぷら」をつかって画面に表示してみてください。

他の大三角

 全天では夏の大三角の他に、春の大三角冬の大三角があります。

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