初日の出と夜明け前の星空

 年が変わった最初の日の出は初日の出と呼ばれ、多くの人に注目されることはご承知の通りです。毎日欠かさず太陽は東の空から昇ってくるのですが、この日だけは特別で、「初日の出を見るんだ!」と力が入る方も多いようです。つるちゃんの場合は、暖かい布団の中でゆっくりと寝ている方がいいんですけどね。

夜明け前の空

 初日の出を拝む前に少しだけ早起きして、夜明け前の星空を眺めてみましょう。

元旦の夜明け前、南の空

元旦の夜明け前、南の空

 上の絵は、元旦の夜明け1時間半前、東京における南の空のようすです。季節はまだまだこれから冬本番を迎えるのですが、夜明け前の南天では春の星座がたくさん見えます。

春の大三角

 ちょうど真南付近で空の中ほどからやや上方にかけて、春の大三角が南中しています。一番西側(右側)に見えるのはしし座のデネボラ、一番低い位置(下側)に見えるのはおとめ座のスピカ、一番東側(左側)に見えるのはうしかい座のアークトゥルスです。

 春の大三角を探す場合はスピカかアークトゥルスをまず見つけて、これを手がかりに3つの星の位置関係から残りの星をたどるとよいでしょう。アークトゥルスはだいだい色をしており、付近では最も明るく輝いて見えますし、スピカの方は白か青白い色に美しく輝く1等星ですので、どちらも簡単に見つけることができます。

おとめ座

 おとめ座は黄道12星座のひとつに数えられる有名な星座ですが、スピカ以外にはこれといって目につく星はありません。そのくせ広い領域を占めていて全天で2番目という大きさですから、形がつかみにくいのは、いたしかたがないところです。

 スピカは女神デーメーテルが持つ麦の穂の穂先に位置しますので、これを頼りに暗い星をていねいにたどって、デーメーテルの姿を描いてみてください。

からす座

 この時間、ちょうど真南の空の中ほどあたりからやや下の方向には、形のくずれた四角形の星の並びが目に付きますが、これはからす座です。星の明るさは3等星なので大したことないと思っていると、意外と目に付いて気になる存在です。

 このからすはアポロンの使いをしていた白いからすです。しかしあるとき、大うそをついたためにみせしめとして天に上げられるとともに、真っ黒な姿にされてしまったのだそうです。

東の空

 今度は東の空を見てみましょう。なんと、この寒いさなかに夏の星座が顔をのぞかせてきています。ここではかわいらしい小さな星座をふたつ紹介しましょう。

元旦夜明け前、東の空

元旦の夜明け前、東の空

こと座

 まず北東の空へ目を向けてみましょう。明るく輝く白い星がすぐ目にとまるかと思いますが、この星はベガです。ベガといえば七夕の主役、織姫星のことですね。この時間ですと、ベガの下側にこと座の小さな平行四辺形がかわいらしく見えるはずですが、星の明るさがあまり明るくない上に高度がまだ少し低いので、ちょっとわかりにくいかもしれません。

 こと座の琴は日本のお琴ではありませんで、ギリシャで一番の音楽名手、オルフェウスが使っていた竪琴です。オルフェウスが琴を奏でると、森のどう猛な動物達もおとなしくなって聞きほれたということです。

かんむり座

 今度はほぼ真東を向いて、そのまま空の中ほどあたりを見上げてみてみましょう。先に出てきたアークトゥルスの左下方向で、7つの星がかわいく半円形に並んでいるのがわかりますが、これはかんむり座です。

 半円形を形作る7つの星のうち、主星ゲンマは2等星なのですが、その他の星はどれも4等星以下に分類されていますので、星が暗くて少し見づらいかもしれません。しかし、初日の出ということで、山に登ったりする方も多いでしょうから、空気の澄んだ場所からご覧になっていただければと思います。小さな星座ですが、きれいに星が並んでおり、意外と印象に残る星座のひとつです。

初日の出

 星を見ている間に東の空がだんだんと明るくなってきました。いよいよ初日の出です。

初日の出の位置

 日の出といっても、太陽が昇ってくる方角は年間を通して考えると一定ではありません。「えっ、東から昇るんじゃないのか」。そう思われるかもしれませんが、そんなことはありません。上の絵は東京における初日の出から10分後の空の様子ですが、東というよりは南東の方向から太陽が昇ってきたことがわかります。東京では真東から28度も南寄りの位置で初日の出を迎えます。実際に初日の出をご覧になられる時の参考にしてください。

 なお、下側の絵は夏至の頃の日の出から10分後の空の様子です。太陽は真東よりもだいぶ北東寄りから昇ってきていることがわかります。だからこそ冬と夏では昼の長さが違うのです!

初日の出から10分後

初日の出

夏至の頃の太陽の位置

夏至の頃

太陽が見える星座

 元旦の頃の太陽は星座でいえば何座に見えるのでしょうか。確認しようと思っても、太陽が見える方向の星座は太陽の光がまぶしすぎて見ることができませんね。先の絵だと、太陽の右上方向にはさそり座がありますが、黄道12星座(星占いの星座と同じ)でいえばさそり座の次にくる星座は何座でしたっけ? そうですね。いて座です。ということで、太陽はいて座の方向に見えています。

日の出の時刻

 日の出の時刻は地域によってバラバラで、東の地域ほど早い時間に日の出を迎えます。また、この時期ですと、南の地域ほど早い時間に日の出となりますし、標高が高い山などでは平地よりも日の出時刻が少し早まります。

 また、ほんのわずかですが年によっても違ってきます。これは、4年に1度うるう年がありますので、その関係でごくわずかずつ日の出時刻にズレが生じるのです。これ以上、あまり細かいことをウジウジ書いても嫌がられそうなので、この辺でとどめておきましょう。

2017年の場合

 2017年元旦の夜明け前は、こんなところに注意して見てみましょう。(下の星図は東京で5時頃、空全体の様子です。)

木星とスピカが接近

 真南よりもやや左側を見上げましょう。明るい星が目に止まりますが、これは木星です。また、木星の下側へ4.3度離れたところに、おとめ座の1等星スピカが見つかります。金色をした木星と、青白い色をしたスピカの美しい輝きを元旦から見られるなんて、とてもハッピーな気分になれそうです。

2017年元旦、5時頃に見える夜空

2017年元旦、明け方の空

2017年 全国の初日の出時間

 日本各地における初日の出となる時間を一覧表へまとめましたので参考にしてください。
 初日の出の時間

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(お前、朝が弱いんか?)
つる: 朝は眠くてしょうがない。
(そういえばお前、昼も弱かったんか?)
つる: なんでやねん。
(よく会議中に寝てるやろ)
つる: あー、いやー、、、
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