にぎやかな冬の星座が宵の東天に勢ぞろい 2001年12月

東天に勢ぞろいした冬の星座たち

 12月ともなると宵の時間帯といえども寒さが厳しくなってきます。寒がりのつるちゃんにとっては厳しい季節の到来で、観測はほとんど不可能といってもよいでしょう。でもこのページを読んでいる皆さんはがんばって観測してくださいね。冬の空は特に太平洋側の地方では、透明度が非常に高くて星もきれいに輝きます。
 宵の東天には冬の星座が勢ぞろいしています。東から南の方角が開けた空で冬の星座たちを見てみましょう。

オリオン座

 まず目に付くのが鼓の形をしたオリオン座です。この時期のオリオン座はまだ横向きに寝そべった形で東の空から昇ってきているところです。オリオン座には1等星が2つと2等星が5つもあり、大変豪華な構成です。おまけに三つ星を真ん中にして、四角形が取り囲むようにきれいに星が配置されていますから、人目をひくのも当然でしょう。オリオン座の1等星ベルギウスが赤い色をしているのに対して、0等星リゲルをはじめとして他の星々は白か青白い色をしているのも特徴的です。三ツ星の下側には有名なオリオン大星雲があり、空の暗い場所では肉眼でも見えています。

エリダヌス座

 オリオン座の西側から南西側(おおまかに言ってオリオン座の右側)にかけて、小さな星がウネウネと曲がりくねりながら南の地平線へと落ちていっています。この付近がエリダヌス座になります。エリダヌスは川であり、その流れ着く先には日本からは見えませんがアケルナルという1等星があります。アケルナルは「川の果て」という意味です。

おうし座

 例年でもおうし座付近はだいだい色の1等星アルデバランがあり、その近くにはヒアデス星団、少し離れてすばる(プレアデス星団)が人目につく上に、中性子星(パルサー)で有名なかに星雲もあって何かと話題の多い星座です。今月はそれに加えて土星が衝になり、0等星くらいにまで明るくなっているので、よけいににぎやかな眺めとなっています。土星の動きなどは(3)土星が衝の中で解説しています。

ぎょしゃ座

 東の空に向かって首をぐっと持ち上げると、おうし座のアルデバランと同じくらいの高度に、ひときわ明るく輝く黄色の星が見えています。これはぎょしゃ座の0等星カペラです。付近にはカペラをひとつの頂点とする少しひしゃげた5角形が見えますが、これがぎょしゃ座の中心部になります。あまり形は整っていないのですが、妙に目につきますので、覚えやすい星座のひとつです。

ふたご座

 冬の星座のしんがりはふたご座です。似たような光度をもつカストルとポルックスの2つの星がふたごの兄弟の2人の頭になります。普通ならこの2星は目立っているのですが、今年の冬はマイナス2等星以上に輝く木星がふたご座の真っ只中にいるので、少しかすんでしまいそうです。逆にふたご座を探すときには木星を目印にするとよいでしょう。


 他にも冬の大三角など話題は多いのですが、来月のお楽しみとしておきましょう。
   ※単に文章の作成が面倒になってきただけという話も・・・。