春の星座オンパレード 2002年4月

 4月になるとさすがに寒さも和らいできます。それでも夜間は以外に冷え込む場合がありますから防寒対策は怠りなく。

4月の星空全体

 星空の方を見てみましょう。今月は星空全体を表示してみました。厳冬期に空をにぎわせた冬の星座たちは西の空へすっかり傾いてしまいました。おうし座もオリオン座もぎょしゃ座も冬の大三角もです。唯一ふたご座だけがかろうじて西の空の中ほどに踏みとどまっています。明るい2つの惑星、土星と木星もそろそろ見納めの時期が近づいたようです。

 一方、南の空から南東の空には春の星座が全部出そろいました。かに座などはもう南の空から西の空へと傾きつつあります。

 

4月の東の空

 次に東の空を見てみましょう。先月には高度が低くて少し見づらかったうしかい座やおとめ座も高度を上げてきてきていて見やすくなっています。今月は小さな星座を3つ紹介しましょう。

からす座

 この時期のからす座は東の空というよりは南東から南の空に見えています。位置はうみへび座のしっぽの少し上側あたりです。4つの3等星がいびつな4角形を形作っていて、小さな星座のわりには意外と目立っています。星の配列がいびつな分だけ、かえって印象に残るのかもしれません。星座絵ではうみへびの背中をつついている絵が描かれています。

コップ座

 コップ座とは変な名前の星座ですね。コップというとジュースを飲むときのコップを想像しますが、コップ座のコップは盃のことで、2つの取っ手と台がついた立派なものです。お酒と水を混ぜ合わせるのに使われたものでクラーテルと呼ばれています。神話では何通りかの説があるようですが、酒とぶどうの神ディオニュソスがお酒を造るのに使ったものだという説もあります。
 位置はからす座の右隣にありますが、なにぶん暗い星が多いので、立派な盃の形を想像するのはちょっと難しいかもしれません。

かんむり座

 東の空低く、うしかい座の左下あたりには小さな星が7つ並んでかわいい半円形を形作っているのがわかります。これがかんむり座です。かんむり座は実は春の星座ではなくて夏の星座に分類されるケースもありますので、この時期の高度が低いのはしかたありません。主星ゲンマは2等星と明るいのですが、その他は4等星と5等星なので田舎にでも行かないとちょっと見づらいかもしれません。小さな星座ですが、半円形のかわいい形は実に印象に残ります。先に出てきた酒とぶどうの神ディオニュソスがクレタ島の王女アリアドネに贈った冠だというのも納得できます。