夏の天の川を見よう 2002年8月

 8月といえば夏真っ盛り!子供たちも夏休みで、家族で野外へ出かけたりする機会も多くなります。自然に親しむ目的で、あるいは涼を求める目的で、ちょっと真夏の夜空を見上げてみましょう。きっとあなたの知らない星空の世界が広がっていますよ。

8月の星空(全体)

 まず夜空全体を眺めてみましょう。西の空には春の星座がわずかに見えています。りょうけん座やうしかい座がそれです。うしかい座のアークトゥルスは0等星と明るいので、ひときわ目立っており、西空にひとりでがんばっているように見えます。

 南天から天頂にかけては夏の星座でいっぱいです。さそり座やへびつかい座が真南よりやや西側(右側)に見え、真南にはいて座があります。銀河系の中心がいて座の方向にあるだけに、天の川もひときわ明るく見えます。天高くには夏の大三角が堂々と居座っており、夏の大三角から天の川が南の方へ落ちていく様子がはっきりとわかります。
 

8月の星空(東の空)

 ひき続き今度は東の空を見てみましょう。主な星座は先月までにほとんど紹介してしまいました。今月は2星座だけの紹介です。

いるか座

 いるか座はわし座のアルタイル(彦星)のやや北東側(上の絵では左側)にあります。非常に小さな星座なのですが、小さなひし形に並んだ4つの星がかわいらしく並んでして、付近では以外に目立っています。一度見ると印象に残るのも、このひし形が特徴的だからだと思います。いるか座は夏の星座の最終バッター。それだけに、この星座が天高くに昇ってくると、「秋も近づいたなあ」と感じさせられます。

やぎ座
 南東の空を見てみましょう。早くも秋の星座の登場です。まだ高度は低いのですがやぎ座の星々が逆三角形の形に並んでいるのが目にとまります。暗い星が多いので、街明かりの明るい場所では見つけにくいかもしれません。しかし、空が暗い場所では星の並びがはっきりわかり、秋の星座の中では結構見つけやすい星座といえるかもしれません。

 最後に再び南の空を見てみます。

夏の風物詩 −さそり座と夏の天の川を見よう−

 南の空の様子を示した下の絵をみてください。南の空低くには、南斗六星のあるいて座がちょうど南中しているのがわかります。いて座の右側にはさそり座が見えます。さそり座には真っ赤な1等星アンタレスがあり、さそりの心臓部に位置しています。それに特徴のある大きな横向きのS字型に並んだ星々。うまい具合にさそりの毒針まで星が並んでいますので、「なるほど、確かにさそり座だ」と感心させられます。みなさんもさそり座を見られると、「ほーっ」と、うなずかれることと思います。

 この頃には天の川が南の空に縦方向に立って見えており、天の川を見る絶好の季節です。先にも書きましたが、銀河系の中心がいて座の方向にあるため、いて座の付近で最も幅が広くて濃くなっています。特にいて座の少し右側付近ではひときわ濃くなっており、スタークラウドと呼ばれています。双眼鏡でもあれば、付近をのぞくと「あっ」と声が出るほどの美しさですよ。天の川を見たことがない方は、この季節にぜひ挑戦してみてください。

8月の星空(南の空)