夜空も秋本番 2002年10月

 10月は秋本番。スポーツの秋、読書の秋の言葉に代表されるように、何をするにもイチバンな季節。透明度が高くなって気候も良いこの時期は、もちろん天体観測をするのにも最適な季節ですよ。

 つるちゃんは四季の中では秋が一番好きです。どうしてかって? 心地よくてちょっと寂しげな薫りがする秋風が好きなのです。うー、なんてロマンチスト!自分で言ってりゃ世話ないか・・・。ということで、あなたもちょっと寂しげでロマンチックな秋の夜長を楽しんでみませんか。
 

10月の星空(全体)

 10月になると夜空の方もすっかりと秋本番を迎えています。西の空では夏の夜空をにぎわせた星座たちが、まだがんばっていますが、へびつかい座やいて座は半分が西の空へ沈んでしまってよく見ることができません。さそり座やてんびん座などはすっかり沈んでしまって、その姿を見ることはできなくってしまいました。それでも夏の大三角だけは空の中ほどに踏みとどまっています。この時期は夏の大三角の中央付近からカシオペア座やペルセウス座にかけて、夏の天の川と秋の天の川を同時に楽しむことができます。

 夏の星座に替わって、秋の星座が南天に集まってきました。真南付近の空低くには秋の星座で唯一の1等星、みなみのうお座のフォーマルハウトがポツンと光っています。少し高度を上げると先月紹介したやぎ座やみずがめ座も寂しげに横たわっていますが、空の状態が良くないと、はっきりとわからないかもしれません。空高くにはペガススの四辺形も昇ってきました。

 次は東天を見てみましょう。秋の星座の後陣が昇ってきているところです。

10月の東の空

うお座

 ペガススの四辺形の南から南東にかけて、小さな星たちがウネウネとつながっていますが、これがうお座です。この星座は暗い星ばかりですので、少し空が明るいだけでも星々を探すのに骨が折れます。2匹の魚がひもでつながれた姿を思い浮かべるのはチョット難しいかもしれません。

アンドロメダ座

 ペガススの四辺形の東側(左側)から左下方向へ2等星が3つ連なっていますがこの付近がアンドロメダ座です。ギリシャ神話ではお隣のペルセウスによって助け出されたお姫様です。アンドロメダ座には有名なアンドロメダ大星雲が肉眼でもボーッと見えています。特集アンドロメダ大星雲を見ようを参考にして、あなたもぜひアンドロメダ大星雲を見つけてください。

おひつじ座

 おひつじ座黄道12星座のトップバッターとして有名な星座ですが、主星のハマル以外は特に目立つ星もありません。ここから金色の羊を想像するのはかなりの想像力が必要でしょう。

さんかく座

 アンドロメダ座とおひつじ座の間にある小さな星座です。空の暗い場所で見ると、小さな3つの星が、細長くて小さな三角形を形作っているのが印象的です。さくかく座にはアンドロメダ大星雲に次いで明るいM33という系外星雲があります。双眼鏡では大きく丸い拡散したその姿を捉えることができるはずです。中には肉眼でも見えるという方もおられますが、つるちゃんでは無理なようです。視力に自信のある方は空が十分に暗い場所で一度お試しください。

くじら座

 南東の空から昇ってきている星座はくじら座です。くじら座はアンドロメダ姫を襲った秋の星座の悪役スターです。くじら座もあまり形がはっきりしませんが、秋の星座の中にあっては、まだましな方です。いちばん右はしの2等星デネブ・カイトスが比較的目だっていますので、これを頼りにお化けくじらの姿を想像してみましょう。デネブ・カイトスの方が鯨のしっぽになり、その反対側(上の絵では左側)が鯨の頭になります。