火星大接近観測ガイド(その4)

9月の火星

 火星は8月27日に大接近を迎えたばかりですから、9月に入ってもまだまだ大きな火星を十分に楽しむことができます。明るさは9月の下旬でもマイナス2.0等星ですから、まだまだ圧倒的な存在感で輝いて見えますし、大きさの方も20秒以上をキープしていますから、十分に大きな火星を楽しむことができます。しかも、日が経つにつれて早い時間帯から見えるようになってきますので、観測のしやすさという点では、8月よりもむしろ9月の方が良いといえます。

星図

 9月5日、9月15日、9月25日、それぞれ21時の星図を掲載しておきますので、初めて火星を見られる方は参考にしてください。観測地は明石とありますが、日本国内であれば、見え方にさほど違いはありません。

 おおまかに言えば、「南東から南の空で赤く明るく光る星」があれば、それが火星と思って間違いありません。一度でもご覧になった方はもうバッチリですよね。

 火星は日が経つにつれて、次第に早い時間から見えるようになってきます。

2003年9月5日21時の火星の位置

2003年9月15日21時の火星の位置

2003年8月25日22時の火星の位置

火星と月の接近

 9月9日には月と火星が大接近しますのでこちらもお見逃しなく。詳しくは、月と火星の大接近を見よう(9月9日)のページをご覧ください。

火星の観測データ

 下に火星のデータを掲げておきますので、観測時の参考にしてください。

日付 札幌 東京 大阪 福岡
時刻 高度(度) 時刻 高度(度) 時刻 高度(度) 時刻 高度(度)
南中 南中 南中 南中
21時 翌0時 21時 翌0時 21時 翌0時 21時 翌0時
9/2 18:22 23:22 4:27 22 30 18:19 23:33 4:52 27 38 18:29 23:45 5:06 26 39 18:48 0:10 5:28 23 40
9/8 17:54 22:52 3:56 25 29 17:45 22:58 4:17 31 36 18:00 23:15 4:35 30 38 18:19 23:36 4:58 28 40
9/14 17:25 22:24 3:27 27 27 17:17 22:30 3:48 34 34 17:32 22:47 4:06 33 36 17:51 23:07 4:29 31 38
9/20 17:02 22:01 3:04 29 25 16:49 22:03 3:21 36 31 17:05 22:20 3:29 36 34 17:23 22:40 4:02 35 37
9/26 16:31 21:31 2:35 31 22 16:23 21:37 2:56 38 28 16:38 21:54 3:15 38 31 16:57 22:15 3:37 37 34

 

日付 赤経 赤緯 光度 視直径 距離 輝面比 21時の形 翌0時の形 翌3時の形
9/2 22h33m -16゜08' -2.6等 25.0秒 0.375AU 1.00
9/5 22h29m -16゜18' -2.6等 24.7秒 0.379AU 0.99
9/8 22h27m -16゜24' -2.5等 24.5秒 0.383AU 0.99
9/11 22h24m -16゜28' -2.5等 24.1秒 0.389AU 0.99
9/14 22h2m -16゜29' -2.4等 23.7秒 0.396AU 0.98
9/17 22h20m -16゜26' -2.3等 23.2秒 0.404AU 0.98
9/20 22h18m -16゜21' -2.2等 22.7秒 0.413AU 0.97
9/23 22h17m -16゜13' -2.1等 22.2秒 0.423AU 0.97
9/26 22h16m -16゜02' -2.1等 21.6秒 0.434AU 0.96
9/29 22h16m -15゜48' -2.0等 21.0秒 0.446AU 0.95

※上の表は「つるぷら」による略算です。多少の誤差を含む点をご了承ください。

「天文ソフト つるちゃんのプラネタリウム フリー版」では、火星の位置を表示したり、上の絵のような火星表面模様の概要をつかむことができます。ダウンロードして観測にお役立てください。

当ホームページからは、つるちゃんのプラネタリウム for Javaアプレットの中にある
    万能プラネタリウム
    惑星の経路
    観測情報
  などからも、火星の位置や情報をシミュレーションすることができます。