豪華な冬の星座たち 2003年1月

 年も明けると冬も本番を迎えます。うー、寒い季節の到来。つるちゃんにとってはイヤーな季節です。身もふところも寒い! みんな、たまには寄付してなー。でも心は温かいです、ハイ。

(うそつけー、ミエはるなー)
−−>・・・、さぶっ。
(ああ、かわいそうなヤツ)


注)このページの空の様子は、下の日時でもほぼ同様の空を見ることができます。

  12月15日23時
   1月 1日22時
   1月15日21時
   1月31日20時
   2月15日19時

1月15日21時 全天の様子
1月15日21時 全天の様子
 

 まず西の空を見てみましょう。先月まで土俵際で、どうにか踏みとどまっていた夏の大三角も、今月になるとさすがに見えなくなってしまいました。かろうじてはくちょう座のデネブだけは地平線スレスレに見えていますが、時間の経過とともに、すぐに見えなくなってしまうでしょう。秋の大四辺形もすっかり西空低くになってしまいました。カシオペア座、アンドロメダ座、くじら座といった、秋を代表する星座も皆、西の空へと大きく傾いてきましたが、秋の星座のしんがりを務めるペルセウス座だけは勇者らしく天高くにドーンと見えています。

 南天には豪華な冬の星座がすっかり勢ぞろいしました。冬の星座は明るい星が多くて、1等星だけでも7個もあります。秋の星座の1等星は1つしかなく、寂しい星座が多かっただけに、よけいに豪華に見えます。おまけに、冬の空は星がよく瞬くので、その豪華さが引き立ってられているように思います。

1月15日21時 南の空の様子
1月15日21時 南の空のようす

 それでは、先月紹介しきれなかった冬の星座を紹介しましょう。

おおいぬ座

 全天で一番明るいマイナス1.4等星のシリウスがあるので、おおいぬ座を見つけるのは簡単です。オリオン座の南東方向(この時間なら左下の方向)で白くギラギラ光っており、他のどの星よりも明るい星があれば、それがシリウスです。シリウスは大犬の口の部分にあたりますが、案外形がよく整った星座なので、大犬の姿を容易に想像できます。

 ギリシャ神話でのおおいぬ座は、オリオンが連れて歩いた犬とか、アクタイオン(こいぬ座)を食い殺したスパルタ犬だとか、冥土を守る犬のケルベロスだとか、さまざまな説がありますが、はっきりとしません。

こいぬ座

 ギリシャ神話のような猛犬を想像することはできないくらいに、小さくてかわいらしい星座です。主星プロキオンと、その近くにある3等星以外には目に付く星はありません。

 月と狩の女神アルテミスによって鹿にされてしまったアクタイオンを、自分のご主人様とは知らずにかみ殺してしまった猟犬のメランポスが、こいぬ座になったのだといわれています。

ふたご座

 冬の星座のしんがりはふたご座です。似たような光度をもつカストルとポルックスの2つの星がふたごの兄弟の頭になります。2列の星の並びから、双子の兄弟の姿を想像するのは簡単です。2つの明るい星のうち、暗い方が兄のカストルで、少しだけ明るい方(約0.4等の差)が弟のポルックスです。ポルックスは普通の恒星ですが、カストルの方は6重星という、かなり変わった星です。

 ギリシャ神話でのふたご座は、大神ゼウスとレダとの間にできた卵から生まれた双子の兄弟です。ふたりがアルゴ船(とも座ほ座りゅうこつ座らしんばん座)に乗り込んで、コルキスへ金の羊(おひつじ座)の毛皮を取り返しに行った武勇伝は有名です。

冬の大三角

 冬の大三角はオリオン座のベテルギウス(赤色)、こいぬ座のプロキオン(黄色)、おおいぬ座のシリウス(白色)で構成されています。このうち最も南に位置するシリウスも、1月になると21時頃の時間帯でも高度を上げてきていて、南東の空で見やすくなっています。シリウスは全天で一番明るい恒星で、その明るさはマイナス1.4等にも達し、普通の1等星の6倍も明るいことになります。
 大三角は冬と春と夏にありますが、冬の大三角が一番小さくなっています。しかし、最も正三角形に近くて均整がとれており、3星の色の対比も美しいものとなっています。

1月15日21時 東の空の様子
1月15日21時 東の空のようす

 最後に東の空を少しだけのぞいてみましょう。まだ1月だというのに、早くも春の星座のトップバッターである、かに座が昇ってきています。そのかに座の中には、2月11日の衝に向けて地球に接近中の木星が見えています。この時間帯なら、ちょうど真東の空で高度30度弱といったところでしょうか。先に出てきたおおいぬ座のシリウスよりも明るくてわかりやすいので、思い出したら東の空をのぞいてみるとよいでしょう。