白昼の金星食 2003年5月29日

 今は明けの明星として、夜明け前に素晴らしい輝きをみせている金星ですが、5月29日の昼過ぎ頃には月齢27.7の細いに隠されるのが全国で観測できます。

 金星は非常に明るいので、最大光輝の頃なら日中に肉眼でも見えなくもないのですが、今回は金星の明るさが−3.9等と金星としては明るくない上に、太陽からの離角も22度しかなく、肉眼での観測はあきらめざるを得ません。それどころか、月が非常に細くて太陽に近いため双眼鏡でも難しいかもしれません。できれば天体望遠鏡を用意して観測にのぞみたいところです。

 下の絵は金星食が始まる少し前の頃の空の様子です。実際には太陽があるので星空は見えません。月と金星は重なって表示されており、太陽の真下の方向にあるのがわかります。観測時には誤って太陽を見ないように、くれぐれも注意してください。

金星食の頃の月と金星の位置

 下の絵は主な都市での金星の経路を示しましたので参考してください。

金星食のようす

 また、主な都市での開始と終了の時刻を掲げておきます。

観測地 潜入 出現
時刻 高度 時刻 高度
札幌 14時06分 32度 15時11分 20度
東京 14時01分 35度 15時22分 18度
大阪 13時55分 39度 15時20分 22度
福岡 13時47分 46度 15時17分 27度
那覇 13時46分 49度 15時09分 31度