水星が東方最大離角 2004年3月29日

 太陽系の9つの惑星といえば、水、金、地、火、木、土、天、海、冥(注:現在、冥王星は惑星ではなく、準惑星に分類されます。)ですが、一番最初に出てくる水はもちろん水星のこと。水星は一番太陽に近いところを回っていますので、最初に呼ばれるのは当然のことでしょう。しかしながら水星を天体観測するということに関していえば、太陽からの距離の近さが災いして、太陽からなかなか離れてくれないため、機会をとらえないとなかなか簡単に観測することができません。

 そんな水星ですが、3月29日には東方最大離角となり、今年一番の観測の好機となります。それでも日の入り1時間後の水星の高度は、明石の場合では6度もありません。水星がいかに太陽から離れずにくっついて移動しているかということがよくわかります。明るさの方は0等星くらいですから簡単に見えるとお考えかもわかりませんが、日の入り1時間後だと空はまだ完全に暗くなりきっておらず、薄明の中で観測することとなります。おまけに水星の高度が低いため地球の大気による減光を受けてしまい、想像以上に見えにくいものです。

日の入り時刻における水星の位置変化
日の入り時刻の水星の位置変化


 明るさは0等星くらいと書きましたが、3月29日をはさんで前半の方が明るく、日が経つにつれて水星は次第に暗くなっていきますから、早い時期に見ておいた方が有利です。下の絵を参考にして、金星の下方向を探してみましょう。双眼鏡があれば、その助けを借りるのもひとつの手かと思います。

日の入り1時間後の水星の位置 2004年3月29日
水星の位置 2004年3月5日20時

つるちゃんのプラネタリウム 天体観測ガイド 2004年