天王星が衝 2005年9月1日

天王星が衝

 土星よりも外側を回る太陽系第7番目の惑星は天王星ですが、内側を回る土星に比べると話題も少なく、注目度は低いと言わざるをえません。それというのも、天王星までの距離は土星より2倍も離れている上に、本体の直径は土星の4割ほどしかありません。したがって地球から見た明るさもぐっと暗くて、肉眼で見えるギリギリの明るさです。

 そんな天王星ですが、9月1日には衝となって年間を通して観測しやすい時期を迎えます。といってもその明るさは5.7等星しかありませんので、見つけるには双眼鏡が必要と思っておいた方がよいでしょう。また、視直径(見かけの大きさ)も3.7秒しかありません。土星が10秒、木星だと20秒以上もあることから比べると、天王星の小ささがおわかりいただけるでしょう。天体望遠鏡で見たとしても、表面の模様を確認するのはとても無理ですが、倍率を100倍から150倍くらいにまで上げると、青緑色をした小さな円盤像に見えてきます。

先月に衝となった海王星

 天王星の更に外側を回る惑星は海王星ですが、こちらは天王星よりも更に56%も離れています。本体の直径は天王星よりもわずか3%ほど小さいだけで、見かけの色も似ていますから、兄弟惑星とでも言いたくなります。

 海王星は先月の8月9日に衝となりましたが、今月もまだまだ良い条件で観測することができます。といっても、その明るさは7.8等星、視直径は2.3秒ですから、天王星よりもさらに暗くて小さな存在です。こちらも天体望遠鏡で150倍から200倍くらいの倍率をかけると、青緑色をした小さな円盤像に見えてきます。
 

2005年9月1日21時 東京での東天のようす
2005年9月1日21時 東京での東天のようす

天王星と海王星の位置

 今、天王星はみずがめ座に見えます。みずがめ座上部のみずがめ座のトレードマークである三ツ矢を見つけましょう。ここからλ(ラムダ)星をたどり、この星を目印にすると良いと思います。一方の海王星はやぎ座にありますが、こちらはθ(シータ)星とι(イオタ)星の中間付近にいます。下の星図を参考に、探してみてください。木星や土星を見たことがある人は多いですが、天王星や海王星を見たことのある人は少ないはず。がんばって見つけて自慢していただきたいと思います。天王星と海王星の探し方については、「探そう 目印/惑星/星雲・星団」の中にある天王星と海王星の見つけ方もあわせてご覧ください。

 これであなたも、天文マニアの仲間入り!?

天王星と海王星の位置
天王星と海王星の位置

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男: 昨日、天王星と海王星を見つけたんだ。見たことのある人なんて、そんなにいないと思うよ。 (自慢しているつもり)
女: ふ〜ん。 (それがどうしたの?)
男: あのさあ、来週の土曜日にでもいっしょに見に行かない?
女: あっ、ゴメン。ちょっと予定が・・・。 (マニアに付き合ってるほどヒマじゃないのよねぇ)

つる: クッ、クッ、クッ。。。 (笑いをこらえてる)
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