低い満月 2006年7月10日

低い位置の満月をを見よう

 7月の満月は11日です。満月は毎月起こりますが、月が昇る位置や沈む位置、南中高度など、満月とひとことで言ってもさまざまな要素が毎回異なります。これは星座を背景にした満月となる位置が、毎回異なるためです。おまけに月の軌道はフラフラとふらついていますから、以前に見た満月と同じような位置でもう一度満月を見ようと思っても、なかなか簡単にはめぐり合えません。

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ホゲ: なかなか簡単にめぐり合えないのは、誰かも同じやなあ。
つる: フッ、フッ、フッ。
ホゲ: その含み笑いは何や!
つる: フフッ。
ホゲ: ???
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 そんなわけで、満月が南中する高度も毎回異なってくるのですが、7月10日23時過ぎに南中する満月の高度は、相当に低いものとなります。年間を通してもこの時期の満月は南中高度が低い上に、この日の月は天の黄道よりもかなり南に位置しています。東京の場合ですと、南中頃の月の高度は25.6度しかありません。地平線から天頂までは90度ありますから、天頂までの4分の1程度の高度しかないことになります。

7月10日 低い満月
7月10日 低い満月

 これほど低い南中高度ですから、月が昇ってくる位置もいつもよりも南寄りです。下の絵は月の出の時刻付近から、1時間にわたって10分間隔で日周運動を表示したものです。この絵を見ると、月の昇ってくる位置は、東の空というよりは南東の空から昇ってくることがわかります。

日周運動

 満月といえば月明かりが激しいので、暗い天体の観測には不向きですが、嫌がらないで、一度低い満月を体験してみられてはいかがでしょうか。