火星がおうし座で西矩 2007年9月16日
真夜中に昇ってくる火星
今年は2年2ヶ月ごとに繰り返される火星接近の年にあたり、12月19日の接近に向けて、火星は地球との距離を次第に縮めてきています。といっても今回はそれほど大きな接近というわけではなく、むしろ接近の中では小接近と言った方がよいくらいかもしれません。火星が超大接近と騒がれた2003年は0.3727AUまで接近しましたが、今回は0.5893AUまでしか接近しません。
そんな火星が9月16日に西矩となり、いよいよ本格的に接近を開始します。西矩とは惑星が太陽から西側へ90度離れることで、この頃の惑星は真夜中に東の空から昇ってきます。火星は今おうし座の中にいて、オレンジ色をした1等星アルデバランよりも赤い色をしており、0等級で光っています。
2007年9月16日0時頃 東の空から昇ってきた火星
火星の大きさの変化
下の絵は、9月16日以降の火星の大きさの変化を10日間隔で表したものです。ある一定の大きさ以上に見える場合は表面の模様も描かれています。
絵からわかるように、年末にかけて次第に火星の大きさが大きくなっていくことがわかります。しかし、その大きさの変化の割合はゆるやかで、最も大きくなる12月25日頃でも視半径は7.9秒で、それほど大きくなるわけではありません。それでも天体望遠鏡を使えば、火星表面の模様の変化を楽しむことができるでしょう。
火星の大きさの変化(9月16日から10日間隔)