月を目印に水星を見つけよう 2008年5月6日〜7日

水星を見つけよう

 金星や木星などの惑星は明るくて見つけやすいのですが、水星は太陽の近くに見えることが多いので、太陽の強烈な光が邪魔をしてなかなか観測することができません。天体観測を始めたけど、まだ水星を見たことがないよという方も多いのではないでしょうか。

 そんなあなたに朗報です。5月6日から7日にかけて、水星の近くへ月がやってきます。しかも、5月14日には水星が東方最大離角となり、年間を通して最も水星観測に適した時期を迎えます。そんなわけで、水星を見つけるのに絶好の機会となります。

5月6日の場合

 下の絵は5月6日、日の入りから約40分後の西空のようすです。水星は真西というよりはやや北寄り、西北西の方角に見えます。高度5度以下の低空には月齢1という糸のように細い月が見えるはずです。でも、少しモヤがあったりすると、肉眼では苦しいかもしれません。

 水星は月の左上方向に見えます。高度は10度くらいですから、地平線から大人が腕を伸ばして縦方向ににぎりこぶしを作ったときの間隔を目安にしてください。肉眼では少しわかりづらいかもしれませんが、目が慣れてくると薄明の空を背景に、ポツンと光る水星を見つけることができます。視力に自信がない方は、双眼鏡を使えば簡単に見つけることができますよ。

5月6日 日の入り約40分後 月と水星の位置
5月6日 日の入り約40分後 月と水星の位置

5月6日 月の形
5月6日 月の形

5月7日の場合

 下の絵は5月7日、日の入りから約40分後の西空のようすです。5月6日と違う点は、月が水星の上側に移動している点です。この日も細い月に変わりはありませんが、月齢が2ということで前日よりもちょっぴり太くなり、明るさも増しています。月が目印になるという点では5月7日の方がよいでしょう。水星の位置も月の真下に近い方向にありますから探しやすいと思います。

 水星の明るさは−0.3等星ですから、肉眼で見つけるのには十分な明るさだと思われるかもしれません。しかし、実際の空はまだ薄明中で明るいですし、水星の高度も低くて大気による減光を受けてしまうなどの悪条件が重なります。ですから以外と苦労するかもしれませんよ。そんな意味でもやっぱり双眼鏡をオススメします。双眼鏡があれば、まず月を視野の中に入れてください。そのままスーッと下方向やや右よりへ視界をずらしていくと、水星が光っているのを確認することができるでしょう。

5月7日 日の入り約40分後 月と水星の位置
5月7日 日の入り約40分後 月と水星の位置

5月7日 月の形
5月7日 月の形

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