水星が東方最大離角 2009年1月4日

見やすくなる水星

 昨年2008年12月29日に月と木星と水星が接近して話題となりましたが、このうち水星はちょっと見つけにくい惑星です。それというのも、水星は太陽系で最も内側を回る天体で、地球から見るといつも太陽にくっついていて、なかなか太陽から離れてくれないからです。それだけに、水星を観測するためには、太陽から最も離れた頃をねらう必要があります。

 水星観測のチャンスは2009年1月4日におとずれます。太陽から東側へ最も離れる東方最大離角となり、水星観測に適した条件が整います。下の絵は日の入りから40分後、南西の空の様子です。水星は高度10度以下という低い位置に見えます。空はまだ薄明中ですし、地球の大気による減光を受けたりします。水星の明るさが−0.6等あるとはいえ、見つけにくいことが予想されますから、双眼鏡を用意された方がよいでしょう。水星のすぐ右下には−2等の木星が見えますので、これを目印にするのが良いと思います。しかしモタモタしていると、目印の木星はこの後30分ほどで沈んでしまいますから注意してくださいね。

 この日、天体望遠鏡を使って水星を観測すれば、下のように半月よりも少し丸みを帯びた形に見えます。水星の高度が低いため地球の大気の影響を受けやすく、像がユラユラ揺れて大変ですが、天体望遠鏡をお持ちの方は、どこまで見えるか挑戦してみてください。

水星が見える位置
夕方、南西の空で低い位置に見える水星


日の入り時刻における水星の位置変化
水星は南西の空で1月上旬に高度が高くなり、水星の天体観測に適した条件が整う


天体望遠鏡で観測した水星
天体望遠鏡を使うと、半月よりも少し丸みを帯びた形に見える

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