西方最大離角でも高度が低い金星 2009年6月6日

日の出前の東天で金星が太陽から最も離れる

 金星は3月25日に内合となって以降、夜明け前の東天ですばらしい輝きを放っています。そして太陽から少しずつ離れてきていて、6月6日には太陽から西の方向へ最も離れる西方最大離角を迎えます。最大離角の頃は金星の高度も高くなって観測しやすくなるはずなのですが、今回は少し様子が違います。下の絵は東京で空が白み始める2時38分の東天の様子ですが、金星は地平線から5度少々の高度しかありません。そして、日の出時刻である4時25分でも27度にしかなりません。

 ここで、日の出時刻における金星の位置変化の絵をご覧ください。高度が最も高くなるのは6月6日ではなく、7月下旬から8月上旬頃ですね。金星が太陽から最も離れることと、金星の高度が最も高くなって見やすくなることとは別の話だということがわかります。つまり、太陽から地平線に対して斜め方向へ離れた場合、離角の割に高度が高くなりません。逆に地平線に対して垂直方向へ離れると、離角がそのまま高度へ反映されるので、高度が高くなって、金星を天体観測するのに有利です。ちょっと難しいかな?

空が白み始める頃  金星の位置
金星の高度はそれほど高いわけではない


日の出時刻における金星の位置
6月以降も金星の高度は次第に上がってくる

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