水星、金星、火星、木星が集合 2011年5月12日

 夜明け前の東天は水星、金星、火星、木星が集まってにぎやかですが、5月12日には4個の惑星が最も接近します。最接近するのは17時頃で、5.9度という比較的狭い範囲に集まります。中でも火星を除いた水星、金星、木星は朝の5時頃に2.1度という狭い範囲に集まります。中でも最も明るくて見ごたえがある金星と木星は0.6度まで近づく大接近です。それだけに、見ごたえも十分でしょう。

 明るさは金星が−3.9等で木星が−2.1等です。ここまでは肉眼でも大丈夫ですが、水星は0.3等でやや暗い目です。日の出30分前で空が明るくなっていることや、高度が低くて地球大気による光の吸収のことを考えると、肉眼では厳しいと思われます。双眼鏡を準備しておいてください。また、火星は1.3等でさらに暗く、もしかすると双眼鏡を使っても厳しいかもしれません。

 4個の惑星の間隔は6度ほどですから、7倍くらいの双眼鏡なら同一視野でとらえることができます。しかし、12倍くらいの少し倍率が高い双眼鏡だと、同一視野にとらえるのは難しいでしょう。でも水星、金星、木星の3個の惑星だけなら、同一視野に十分おさまります。お使いになる双眼鏡の実視界が何度あるのかを確認しておくと参考になります。

 最後に一つ注意点を書いておきます。あなたが観測する時刻が早いほど空は暗くなりますが、天体の高度が低くなってしまいます。かといって時刻が遅くなると、天体の高度は高くなって見つけやすくなりますが、日の出が近づいて空が明るくなってしまいます。微妙な頃合いを見計らって逃さないようにしなければなりません。また、低空によく現れる薄いモヤは刻一刻と変化します。モヤが晴れた瞬間を逃さないことも重要です。このようなことから、実際に天体観測される場合は、少し早い目から余裕をもって観測を始めるようにしましょう。



拡大図

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