金星が見やすくなってくる 2011年12月後半

 金星は2011年8月15日に外合となり、以降は夕方の西天で見られるようになりました。金星は西天で南へ移動しながらジワジワ高度を上げてきてはいましたが、その動きは遅々として高度がいっこうに上がらず、11月に入っても人目につきにくい状態でした。そんな金星も12月に入ってようやく高度が上がり始め、日の入り時刻の高度が20度を越えてきます。

 日の入り後しばらくたってから南西の空をご覧ください。異常に明るくて「ピカーッ!!」と光る星がすぐに見つかるでしょう。これが金星です。その明るさは−4等に達し、白昼の青空の下でも見つけられるほどです。金星は年明け以降も高度を上げ続け、3月後半から4月上旬にかけて最も高くなります。

 ところで金星といえば満ち欠けをする惑星として知られています。これは金星の公転軌道が地球の公転軌道よりも内側を回ることによります。金星に天体望遠鏡を向けると小さな満月のように丸く見えたり、やや大きめの半月状に見えたり、大きくて細い三日月のように見えたりします。しかし今のところ、金星は地球から遠い位置にあり、形の変化に乏しい時期です。形の変化を天体観測しようと思っても、いつも小さな丸い形に見えて、いまひとつ面白みに欠けます。観測が楽しい時期が近づきましたら、またそのときにご案内することにしましょう。

日の入り時刻における金星の位置

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つるちゃんのプラネタリウム 天体観測ガイド2011年