水星が東方最大離角 2012年3月5日

 水星は太陽系で最も内側の軌道を回る惑星です。このため太陽からなかなか離れてくれませんが、3月5日は太陽から東側へ最も離れる東方最大離角となります。水星の最大離角は年に6回起こりますが、今回は2012年で3番目に条件が良いものです。といっても2012年の場合、上位の3回は条件的にそれほど差がありませんから、「年間を通して最も条件が良くなる」と表現してもよいくらいのものです。

 下の星図は3月5日、東京で日の入りから40分が経過した西空です。水星は0等級ですが、高度は10度を切っている上に薄明中ですから、かなり見づらいでしょう。双眼鏡を活用しながら金星から大きく下側、やや右よりを探してみてください。見慣れてくると肉眼でもポチッと光る姿を確認することができます。

日の入りから40分後、西空の様子
2012年3月5日に水星が見える位置。真西の低い位置に見える

 今度は天体望遠鏡を向けてみましょう。この頃の水星は半月形に見えます。といっても高度が低いために気流が悪いことが多いですから、半月形の姿を確認するのは難しいかもしれません。気流の落ち着いた日があれば挑戦してみてください。

水星の形
2012年3月5日の水星の形。半月のように見える

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