月を頼りに水星を見つけよう 2012年6月21日と22日

 水星は肉眼で見つけられる惑星の中では最も見つけにくい惑星です。水星は太陽系で最も内側の軌道を公転するため太陽からあまり離れず、太陽のまぶしい光にじゃまをされて観測しづらいのです。そんな水星を見つけるためには、水星が太陽から離れた機会をとらえる必要があります。水星は7月1日に太陽の東側へ最も離れる東方最大離角を迎えますが、その少し前となる6月21日から22日にかけて、月が水星の近くを通り過ぎます。水星の高度がかなりあるので、見つける絶好のチャンスといってもよいでしょう。

 まず6月21日ですが、この日は月が水星の下側にやってきます。月齢は1.8ですから、非常に細い月です。下に示した日の入りから40分後の星図では、月の高度はたったの3.6度しかありません。月とはいえ、これを見つけるためには双眼鏡があった方がよいでしょう。水星は月から見て上側、やや右寄りにあります。0等級の明るさがあるとはいえ、周囲がまだまだ明るいですから、水星を見つけるには双眼鏡の力を借りたほうがよさそうです。

6月21日、日の入りから40分後、西の空
2012年6月21日は、月からみて上の方に水星がある


月の形
2012年6月21日に見える細い月

 

 6月22日になると、月は水星の左側へやってきます。月齢も一つ増えて2.8です。たった一つの月齢差ですが、月の太さと明るさがだいぶ違っており、明るさを増しています。月が良い目印となるうえに、水星と同じくらいの高度ですから、前日よりも22日の方が探しやすいでしょう。ただ難点は月と水星の間隔がだいぶ開いてしまっていることです。月を見つけたら右の方へ視線をずらしていきましょう。目を凝らしてよく見ると、ポツンと光る水星が見つかるでしょう。


6月22日、日の入りから40分後、西の空
2012年6月22日は、月から大きく右側に水星がある


月の形
2012年6月22日に見える月

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