金星がアルデバランへ近づく 2012年7月10日

 金星は6月6日に内合を迎えて太陽面通過となりましたが、その後は太陽から急速に離れているところです。あれから1ヶ月ほど経った7月9日には、おうし座の1等星アルデバランへ0.9度まで近づいて見ごたえがありそうです。といっても日の出前に見える金星の高度はまだまだ低いものです。東京で空が明るくなり始めてから13分が経過した3時頃だと、その高度は9度しかありません。アルデバランは1等星ということで明るい星ですから、見るのには支障ありませんが、東天の低い位置に見えることは認識しておくべきです。

 下の星図はアルデバランの近くを通り過ぎていく金星の経路を示したものです。アルデバランの近くにはヒアデス星団というまばらで大きな星団があります。双眼鏡で見ると星の数が多くてにぎやかですし、上方には7月1日に近づいた木星も見えます。あわせてご覧になると楽しいと思います。それからアルデバランの色にも注目してくださいね。アルデバランはオレンジ色をしています。

アルデバランへ近づく金星とその移動経路
金星とアルデバランは10日未明に最も近づくことがわかる

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