白昼に見られる木星食 2012年7月15日

 2012年は食現象の当たり年です。珍しい金環日食が5月21日に見られた後は、6月4日に部分月食が見られました。さらにその2日後には、これまた珍しい金星の太陽面通過が起こりました。そして今から紹介する7月15日の木星食。さらに8月14日は金星食まで見られます。こんなに食現象で忙しい年はなかなかないでしょう。

 木星が月によって隠される木星食は、7月15日の昼過ぎから起こります。日本全国多くの地域で見ることができますが、残念ながら南西諸島では見ることができません。時間は観測する場所によって異なりますが、東京の場合だと13時5分に潜入します。その後は1時間ほど見えない状態が続き、14時3分に出現します。その他、札幌では潜入が12時51分、出現が13時58分。鹿児島では潜入が13時19分、出現が13時52分などとなっています。

 夜間なら金色に光り輝く木星ですが、昼間ということもあって観測するためには、口径の大きな双眼鏡か天体望遠鏡が必要になります。天体望遠鏡で拡大した木星は、夜間と違ってぼんやりと頼りない姿をしています。面積がある天体ですから、潜入や出現には少し時間を要します。観測する場所によって異なりますが、札幌で1分15秒、東京や京都では1分35秒、福岡では2分10秒、鹿児島で2分42秒ほどかかります。

東京の場合だと西の空で高度30度くらいの位置でスタート
木星食が起こる頃、月と木星が見える位置

 
月に対して木星が移動する経路(数値は13時の値)
札幌、仙台、東京、金沢、大阪、広島、福岡、那覇で見た木星食
※この図では上側が北になっています。実際に見た場合は天頂方向が上となりますので見え方が異なります。

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