金星とレグルスが大接近 2012年10月3日と4日の明け方

 金星は6月6日の内合後、夜明け前の東天に見えるようになってから、はや4ヶ月が経ちました。日の出時刻における金星の高度はピークを過ぎましたが、それでも40度を少し切るくらい。金星としてはまだまだ見やすい位置をキープしています。この間に金星は星座間をどんどんと移動しており、さまざまな天体と出合い、そして離れていきます。そんな中、10月3日と10月4日の明け方に、しし座の1等星レグルスへ大接近します。

 下の星図は10月3日の4時頃、東京から見た東天のようすを示した星図です。金星はレグルスのごく近く、上側に見えます。これが翌日10月4日になると、金星はレグルスの下側へやってきます。恒星に対して金星が動いて見えるのは、もちろん金星が位置を変える惑星だからです。両星が最も近づくのは3日の16時頃ですから、この時間帯に日本で観測することはできません。この時の間隔はわずか7分(=0.1度)あまりといいますから、見ることができなくて非常に残念です。

 最接近こそ見られませんが、それでも非常に明るい金星と1等星レグルスがピッタリ寄り添った様子は、とても印象的なものです。両者が1度未満に接近するのは2014年9月6日まで起こりませんので、この機会をぜひお見逃しなく。

夜明け前に金星とレグルスが近づいたようす
10月3日の位置関係

関連記事
  2010年7月10日 しし座のレグルスに金星が大接近



つるちゃんのプラネタリウム 天体観測ガイド2012年