水星が西方最大離角 2012年12月5日

 水星は太陽からなかなか離れてくれない惑星です。太陽系の中で最も太陽に近い軌道を公転する惑星ですからしかたがありません。水星の観望チャンスは太陽から最も離れたタイミングです。このチャンスは年に6回あり、最大離角とよばれています。太陽のどちら側へ離れるかによって西方最大離角、東方最大離角に分かれますが、12月5日は2012年最後の西方最大離角が起こります。西方最大離角は西の空に見えるのかと思いきや、実はその反対で、東の空に見えますから注意してください。

 下の図は、日の出時刻における水星の位置変化を表したものです。水星は11月後半から一気に高度を上げてきます。そして12月上旬に高度が最も高くなり、見つけやすくなります。

日の出時刻に見える水星の位置変化

 下の星図は12月5日、日の出から1時間前頃に見た東南東の方角です。水星は8度の高度で明るさは-0.4等です。-0.4等といえばずいぶん明るいように思われるかもしれません。しかし、周囲が明るくなり始めているため、思ったよりも見つけにくいものです。場合によっては双眼鏡を用意しておかれた方が良いでしょう。この日は右上方向に金星と土星、そして1等星のスピカと明るい星が連なっています。特に金星は非常に明るいですから、ぜひ目印として使ってください。

水星が見える位置

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つるちゃんのプラネタリウム 天体観測ガイド2012年