冥王星食 2013年3月7日

 月が惑星を隠す現象は惑星食とよばれています。冥王星は惑星ではなく準惑星に分類されいますが、冥王星を月が隠す冥王星食は滅多に起こりません。それというのも冥王星は地球公転面に対して17.1度も傾いているからです。このため冥王星が1公転する248.6年の間のほとんどが、月の通り道から外れています。ところが最近はジワジワと地球公転軌道面に近づいており、月が冥王星に近づく環境が整ってきました。


地球公転軌道面に近づいてきた冥王星

 そんな折、2013年3月7日、ついに冥王星食が起こります。東京では1934年7月12日以来79年ぶりとなりますが、この時は昼間に起こりました。また夜間に起こるのは、1926年1月27日以来、87年ぶりの出来事です。といっても冥王星は小型なうえに遠いところにある天体です。明るさは14等級ですから、存在を確認するためには、アマチュアが使う天体望遠鏡くらいでは歯が立ちません。

 東京で冥王星が出現する頃の星図を下に示しました。実際に冥王星食を観測するのは難しいですが、かつて太陽系最果ての惑星とされた冥王星に、思いを馳せてみられてはいかがでしょうか。

冥王星が月の縁から出現する頃の夜空

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