天王星がうお座で衝 2014年10月8日

 天王星といえば太陽系の第7番惑星ですね。太陽からの距離は、すぐ内側を回る土星が9.55AU(1AU=地球と太陽の距離)であるのに対し、天王星は19.21AUと、2倍も遠く離れたところにあります。また、直径は地球の4倍もありますが、それでも木星の11倍や土星の9倍に比べると、だいぶ小ぶりです。そんなこともあって、地球から見た天王星は遠くかすんでしまい、肉眼で見つけるのが難しい6等級の明るさしかありません。

 そんな天王星ですが、10月8日に衝となります。衝とは惑星が太陽から180度離れることです。衝の頃は太陽から離れる上に地球へ近づくことから、観測条件が良くなります。しかし、天王星はもともと遠く離れた天体だけに、それほど極端に観測条件が良くなるわけではありません。明るさは5.7等ですし、視直径も3.8秒(1秒=3600分の1度)しかありません。

 天王星は今、うお座の中にあります。うお座といっても広いですし、天王星は暗い惑星ですから、見つけるためには位置を正確に把握しておく必要があります。また、見つけるためには最低でも双眼鏡が必要になります。

 それでは下の星図をご覧ください。うお座のδ星(4.4等)、ε星(4.3等)の近くにありますから、これらの星からたどるのが王道です。場所がわからない方は、ペガススの四辺形を作る左側2星(アルフェラッツ、アルゲニブ)との位置関係から探すとわかりやすいでしょう。

 なお、10月8日は月のすぐ隣にあります。この日は皆既月食が起こりますから、月明りが弱まる皆既中に天王星を探してみるのもオツなものです。下の星図のように20時ごろなら、1.1度の間隔で並んでいます。双眼鏡を使えば、皆既中の月と天王星を同時に眺められるかもしれません。しかしそれ以外の時間帯は、月が明るくて天王星を見つけるのは難しいですから、別の日を選んだ方が良さそうです。
 

うお座に見える天王星



前後15日の位置を示した拡大図
(日々、左から右へ少しずつ動きます)

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