水星が東方最大離角、今年最高の条件 2015年5月7日

 5月7日は水星が東方最大離角となり、今年一番の観望期となります。東方最大離角とは、内惑星が太陽から東側へ最も離れることです。水星はいつも太陽の近くにいて観測しづらいですが、この日は太陽から最も離れるため、観測しやすくなるのです。

 下の星図は5月7日の日の入りから40分後、西北西の方向を眺めたものです。この時点で水星の高度が12度ありますから、水星の条件としては相当に良い部類です。しかし、周囲はまだ明るいですから、もう少し時間がたってからご覧になられた方が良いでしょう。時間の経過とともに、空が暗くなるのと、水星の高度が下がって見えづらくなるのとの競争です。ほどよい頃合いになると、ポツッと光る水星を肉眼でも確認することができるでしょう。上空に見える金星との位置関係から、およその位置の見当をつけておくことがポイントです。

 5月7日の水星の明るさは0.4等です。数字だけから言うと 1等星よりも明るいのですが、実際は薄明の中で見ることになるため、意外と見づらいものです。双眼鏡をお持ちの方は用意しておかれることをオススメします。

 なお、この後は日がたつにつれて光度が落ちていきます。ですから、5月7日の後に見るよりも、前に見られた方が有利です。日の入り時刻における水星の位置変化の図も載せておきましたので参考にしてください。

日の入りから40分後 西北西に見える水星



日の入り時刻における水星の位置変化(5日間隔)

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