土星が西矩 2016年3月4日

 土星が昇る時刻は以前よりも早くなってきており、東京では深夜の1時ごろに東の空から顔をのぞかせます。そんな土星が3月4日に西矩となります。西矩とは、惑星が太陽から西側へ90度離れた位置へやってくることです。太陽系の図を見ると、太陽−地球−土星が作る角度は 90度になっていることがわかります。

 西矩のころの惑星は日の出の頃に南中し、「観測条件がそろそろ良くなってくるよ」というサインになります。今年の土星は環が大きく開いていますので、天体望遠鏡を使った観測が楽しめそうですね。

太陽と地球と土星の位置関係

 下の星図は3月4日の朝5時ごろ、南の方角を眺めたものです。0.5等の土星はさそり座の近く、へびつかい座の中で光っています。近くには赤い星が二つあります。一つ目はさそり座の1等星アンタレスで、土星との間隔は8.7度です。二つ目は火星ですが、こちらは間隔が16.9度も開いており、だいぶ間延びしています。土星の落ち着いた黄土色と、赤い二つの星との色の違いを見比べてください。

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