火星がアンタレスと並ぶ 2016年4月26日から27日

 火星は今月の17日に留となって逆行に移りました。そして 4月26日から27日にかけては、宿敵のアンタレスと並びます。アンタレスといえばさそり座の赤い 1等星ですが、その名はアンチ・アーレスからきています。アンチは対抗するもの。アーレスは火星を指しますから、アンタレスは「火星に対抗するもの」という意味になります。その火星がアンタレスに 4.9度まで近づいて縦に並ぶのですから、これを見逃す手はありません。

 下の星図は 4月27日の2時ごろ、南の空を眺めたものです。火星とアンタレスが縦に並んでおり、ほぼ南中しています。両者を比較してみましょう。まず明るさですが、この日の火星は -1.3等と非常に明るくなっています。一方のアンタレスは 0.88等 から 1.16等で変化する変光星です。一番明るくなった時と比べても、明るさの面では火星がだいぶ勝っています。

 次に赤さを比較しましょう。ここで色指数(B-V)という数値があります。これは、青色の光で計測した明るさ(B)から、黄色からオレンジ色の光による明るさ(V)を差し引いたもの(等級)で、色を比較するときによく登場します。色指数を使って両天体を比較すると、火星が 1.36等であるのに対してアンタレスは 1.83等。アンタレスの方が少し赤いようですが、みなさんにはどのように映りますか?

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