北日本中心にわずかに欠ける部分日食 2011年6月2日

 2011年6月2日に北日本で部分日食が見られます。今回は北日本と日本海側の一部の地域でしか見ることができない上に、食分もごく小さなものですから、あまり条件の良い日食とはいえません。運よく見ることができる地域にあたっている方は、日の出直後の太陽に注目してください。

日食が見える地域

クリックでNASAのページを開きます 世界レベルで見ると今回の日食は、北極圏から北東アジア、北アメリカ大陸北部で見られる部分日食です。最大食はロシアのバレンツ海沿岸部で、最大食分は0.60となっています。

 日本では大ざっぱに言うと、南側の限界線が福島県から福井県若狭湾沿岸部を通りますから、これよりも北側の地域でしか見ることができません。また、若狭湾から島根県東部にかけての日本海側沿岸部は、日の出時に食が終わるラインが通っていて、かろうじて見ることができる可能性があります。

 実は、日の出に欠け始めるライン、日の出に食が最大となるライン、日の出に食が終わるラインの交点が福井県付近にあります。このことから日の出直後にわずかしか見られない地域が多く、全体的に条件面では最悪と言った方がよいかもしれません。


日食の見え方

 2011年6月2日の部分日食は日の出直後に見られます。日食状態は数分から数十分しか続かず、ごくわずかしか欠けません。最も条件が良いのは北海道ですが、条件が最良となる稚内でも12%ほどしか欠けません。南へ行くほど欠け方が小さくなり、札幌で9%、青森5%、新潟2%、仙台1%などとなっています。日食が見られる地点について、2010年6月2日の日食データを載せておきましたので参考にしてください。

太陽の欠け方

※鳥取では最大食となる頃、太陽は地平線下にあり、実際に見ることはできません。

札幌で見える位置

日食グラスを使おう

 太陽を肉眼で直視するのは失明の恐れがあって非常に危険です。太陽を減光しようのページで解説していますので、ぜひご一読ください。みなさんに安心して日食観測をしていただくため、当サイトでは日食グラスをおすすめしています。その名の通り、日食を肉眼で見るために開発されたものですから、安心して太陽を観測することができます。

※日食グラスは双眼鏡や天体望遠鏡には使用できません。また、肉眼観測用として使用される場合でも注意事項をよくお読みください。