関東地方

 関東地方各都県で主な都市(東京は東京駅)における日食情報を掲載します。関東地方では群馬県の西部から北部にかけての一部を除き、ほぼ全域が金環帯へ入ります。したがって、ほぼ関東地方のほぼ全域で金環日食を観測することができます。また、中心線が関東地方を通りますから、中心線に近い地点では5分以上も金環日食が継続し、ほぼ真円の形をした太陽のリングを見ることができるでしょう。

 都県のリンクを選択すると、市町村別の日食時刻表を表示します。

東京都

 東京都の東端、東京湾沿岸部を中心線が通る2012年の金環日食では、都内全域が金環帯の中に入ります。したがって東京都内では、最高の条件で日食を楽しむことができます。特に東京湾沿岸部に近いエリアでは金環継続時間がおよそ5分に達し、真円の太陽リングが見られます。今回の日食としては国内最大級の、素晴らしい金環日食を観察できるでしょう。

 次に、東京の離島です。東京都の離島はエリアが広いですが、2012年の日食ではこのうち、伊豆大島と三宅島および、利島、新島、式根島、神津島が金環帯に入ります。しかし、御蔵島、八丈島、青ヶ島、鳥島、小笠原諸島、硫黄島などは金環帯に入らず、部分日食となります。

 金環日食が見られる伊豆大島や三宅島は中心線よりも南側に位置します。したがって本土の多くの地点とは異なり、最大食の頃には太陽の左上側が細くなったリングが見られます。

東京

東京で日食が見える位置

東京の日食・前半

東京の日食・後半

栃木県

 金環帯の北限線は、栃木県と福島県の県境付近を沿うように、東北東の方向へ走っています。栃木県にとっては幸いなことに、北限線はギリギリ福島県側を通りますから、栃木県全域で金環日食を観察することができます。県の南側から南東側が中心線に近いですから、条件的に有利になります。宇都宮では太陽の位置がほぼ真東方向で最大食を迎え、4分間ほど金環日食が続きます。

宇都宮市

宇都宮の日食・前半

宇都宮の日食・後半

群馬県

 群馬県では金環帯の北限線が県の北西部、端の方を通ります。したがって、この線よりも南側では金環日食が見られますが、北側では部分日食しか見られません。県の北西側は山岳地帯が多いですし、沼田市あたりも金環帯に入ります。人工比率で考えると、県内大半の人が金環日食を観察できそうです。前橋市での金環継続時間は3分台前半です。

前橋市

前橋の日食・前半

前橋の日食・後半

茨城県

 2012年の日食では、茨城県は幸運なことに、県内全域が金環帯の中に入ります。したがって、茨城県ならどこからでも金環日食を観察することができます。しかも食の中心線が霞ヶ浦南部付近を通っています。今回の日食では東北東へ行くほど食の最大地点に近づいて条件が良くなりますから、茨城県南部は日本国内でも最高の観測地となります。

水戸市

水戸の日食・前半

水戸の日食・後半

埼玉県

 2012年5月21日に起こる日食では、関東地方は観測条件に恵まれた地域が多いのですが、埼玉県もその例外ではありません。県内全域が金環帯に入りますから、埼玉県内ならどこからでも、金環日食を観察することができます。さいたま市をはじめ、川口市、草加市、三郷市など、県の東部は食の中心線に近いですから、さらに観測条件が良くなります。さいたま市では7時32分過ぎ頃から、4分台後半の金環日食を楽しむことができそうです。

さいたま市

さいたまの日食・前半

さいたまの日食・後半

千葉県

 2012年の日食では、関東地方は条件良く観測できる地域が多くなっています。千葉県の場合も白井市、印西市といった街を日食の中心線が通ります。このため千葉県全域が金環帯に入り、最高の条件で観察することができます。

 千葉市では中心がややずれたリングが見られ、5分にせまる長い金環日食を楽しむことができます。最大食を迎える頃、千葉市では多くの箇所とは異なり、左上側がやや細くなった太陽リングになります。これは千葉市が食の中心線よりも南側に位置しているためです。房総半島先端に位置する館山市あたりまで行くと、このことがはっきりとわかるでしょう。

千葉市

千葉の日食・前半

千葉の日食・後半

神奈川県

 神奈川県は県の中央部を金環帯の中心線が南北に分断するような形で東北東へ横切り、県内全域で金環日食を観察することができます。極めて観測条件に恵まれた県といえるでしょう。横浜市では最大食の頃には太陽が真東の方向にやってきます。そして約5分間にわたって金環日食が見られます。

 同じ神奈川県内であっても、観測する場所が中心線よりも北側に位置するか、南側に位置するかによって、太陽リングの見え方が違ってきます。つまり、北側の地域では最大食を迎える頃にはリングの右下側が細くなりますが、南側の地域ではリングの左上側が細くなります。といっても、いずれの地点も中心線からあまり離れていませんから、肉眼ではっきりと確認するのは難しいでしょう。逆に言うと神奈川県は、それほど観測条件に恵まれた場所なのです。

横浜市

横浜の日食・前半

横浜の日食・後半


つるちゃんのプラネタリウム 各地の見え方|金環日食2012年