皆既日食と金環日食ではどちらが多いか

 皆既日食と金環日食。どちらも非常に珍しい現象です。しかし、起こる頻度には少しだけ違いがあります。

5千年間で比較

 紀元前2000年から西暦3000年までに全世界で起こる日食の回数をNASAのサイトで調べてみたところ、次の表のようになります。これを見ると、皆既日食が26.7%の割合でしか起こらないのに対し、金環日食は33.2%の割合で起こります。つまり、金環日食の方が皆既日食よりも頻度が多くなっています。

日食の種類 回数(回) 割合(%)
部分日食 4200 35.3
金環日食 3956 33.2
皆既日食 3173 26.7
金環皆既日食 569 4.8
合計 11898 100.0

金環日食が多い理由

 月は地球の衛星であり、楕円軌道を描いています。このため月は地球に近づいたり遠ざかったりしています。これを平均した距離で考えた場合、この位置では月の本影は地球に届きません。つまり、平均的な位置では金環日食となりますから、皆既日食よりも金環日食の方が多いのも当然でしょう。