火星から見た星座

火星から見た星座
火星から見た地球の形の変化

別の惑星に行ったからといっても、恒星はかなり遠い所にあるので、星座の配列がかわるわけではありません。ただ、自転軸の方向が地球の場合とは異なるので、北極星の方向が変わってきます。

最初の絵にありますように、火星の星空を見てみますと、天の北極はちょうど、はくちょう座とケフェウス座の境界付近にありますが、わずかにはくちょう座よりにあります。しかし、天の北極付近には明るい星はなく、適当な北極星は見当たりません。かろうじてはくちょう座のデネブがどうかなといった感じですが、11度も離れており精度は少し悪いでしょう。

南の空に目を移しますと、冬の星座たちが見えていますが、だいぶ南の空低くに見えています。明石に相当する緯度ではおおいぬ座は楽に見えるはずですが、火星の明石に相当する地点から見た場合は、地平線ギリギリで、一部は見えなくなってしまっています。また、南中しているオリオン座も斜めを向いており、奇妙な感じがします。

火星から見た場合、地球は火星の内側の軌道を回る内惑星となります。このため、地球は大きく満ち欠けをして見えます。次の絵にありますように、新月状に見える2010年1月29日頃には内合を迎えていることでしょう。逆に地球から火星を見ると、地球接近となり衝を迎えているはずです。また、半月状に見える10月31日付近では東方最大離角となり、太陽から離れて一番観測しやすい時期となっていることでしょう。

火星への有人飛行も夢ではなくなった現在、今見てきたような話を人類が本当に目にする日がくるのも、そう遠くない話かもしれませんね。


このページの絵は「天文ソフト つるちゃんのプラネタリウム」のフリー版」で描いたものです。