暗視野照明、明視野照明とは何ですか

 ファインダーをのぞくと十字線が描かれています。これに星を合わせることにより、天体望遠鏡本体に星を導入することができます。昼間や明るい都会の夜空ならこれでよいのですが、田舎や山奥の暗い夜空を背景にすると、十字線がよく見えなくなってしまいます。

 そこで、照明によって十字線を浮かび上がらせ、星を導入しやすくしたものがあります。これを暗視野照明や明視野照明とよばれています。暗視野照明と明視野照明の違いは、十字線を散乱光で浮かび上がらせるか、直接光で浮かび上がらせるかによります。暗視野は視野が暗くて星が見やすいですが、明視野は視野全体がほんのりと明るくなり、暗い星はやや見づらくなります。

 ファインダーの暗視野照明や明視野照明は、等倍ファインダーで多く使われていますが、倍率を拡大するタイプのファインダーではあまり使われません。これはコストがかかってしまうためで、一部の高級ファインダーのみに付属しています。また、暗視野照明や明視野照明はファインダーだけでなく、極軸望遠鏡やガイド用の接眼レンズなどでも使われています。

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