屈折式の良い点と悪い点を教えてください

 天体望遠鏡の鏡筒の種類のひとつに屈折式があります。屈折式は鏡筒の全面に対物レンズを配置して星の光を集めます。原理は虫眼鏡と同じです。屈折式の良い点は、鏡筒内部と外部が完全に遮断されているため、鏡筒内部で気流(筒内気流といいます)が発生しないことです。筒内気流が起きると像がユラユラと揺れて見えて、天体観測の妨げとなります。この点で屈折式は、惑星や二重星などの観測に適しています。

 一方、屈折式の悪いところは、色収差と呼ばれる色のにじみが出ることです。これは、対物レンズがプリズムのような働きをして、星の光を色ごとに分散してしまうからです。これを解消するため、2枚以上のレンズを組み合わせたアクロマートレンズやアポクロマートレンズを採用して色収差を減らしているのが普通ですが、完全に取り除くのは難しいようです。特に短焦点の対物レンズでは、色収差が目立つ傾向にあるので注意してください。

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