反射式の良い点と悪い点を教えてください

 天体望遠鏡の鏡筒の種類のひとつに反射式があります。反射式は鏡筒の底面に凹面鏡を配置して光を集め、副鏡と呼ばれる2枚目の鏡を用いて光の進路を変え、光を鏡筒の外へ導き出す形式です。中でも多いのが副鏡に平面鏡を用いて鏡筒の横からのぞくニュートン式と呼ばれるタイプです。(ニュートン式では副鏡は斜鏡といいます。)

 反射式の良い点は、屈折式と比べて大きな口径を安い値段で手に入れることができることです。自分で鏡を磨いて自作するアマチュアもいるくらい、製造が容易だからです。また、反射式では屈折式のような色収差は発生しませんで、特に視野の中心部ではシャープな鋭い像を結びます。

 一方、悪い点としては、筒内気流が発生することが挙げられます。筒の前面が開いているため、筒鏡の内側と外側で温度差があると空気の流れが発生し、像がユラユラと揺れて天体観測が難しくなるのです。これは20分から30分程度外気温に慣らしてから観測することで、ある程度解決できます。それから、反射式の場合は視野の端へいくほどコマ収差と呼ばれる像のひずみが見られます。コマ収差は主鏡が短焦点の場合に顕著にみられます。また、衝撃によって鏡の位置がずれてしまうことがよくあります。これは「光軸が狂う」と言われますが、こうなると自分で調整する必要が出てきます。

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