ニュートン式天体望遠鏡

分類: 反射式

 ニュートン式天体望遠鏡は現在の反射式望遠鏡の代名詞と言ってもよいくらいに普及しています。万有引力の法則で有名なアイザック・ニュートンが、グレゴリー式天体望遠鏡からヒントを得て考案しました。

 平行に入射した光を放物面で反射させると一点(焦点)に集まります。この性質を利用して主鏡には放物面を持った凹面鏡を用います。また、鏡筒の中に斜鏡と呼ばれる平面鏡を配置することによって光を直角に曲げ、鏡筒の外へ光を導き出します。構造的に簡単ですから、安い価格で大口径を得ることができます。このことは、現在ニュートン式天体望遠鏡が普及している最大の理由といってもよいでしょう。

 ニュートン式天体望遠鏡は鏡筒の横から観測するのが特徴で、比較的楽な姿勢で観測することができます。反面、鏡筒の先端付近からのぞくため、焦点距離が長い望遠鏡の場合は、接眼部が自分の身長よりも高い位置にきてしまうこともあります。

 基本的に鏡筒の前方はフタが開いた状態ですから、鏡筒内と外気との温度差があると筒内気流と呼ばれる空気の流れが発生します。その結果、像がユラユラと揺れて、天体観測の妨げとなります。また、衝撃が加わると鏡の位置が動いて光軸がズレてしまいます。このときは、手作業で光軸を修正する必要があります。市販品の場合、主鏡と副鏡の取り付け枠に光軸修正ネジがついていますから、これを使って光軸を修正します。

ニュートン式天体望遠鏡の模式図
 

 


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