屈折式天体望遠鏡(くっせつしきてんたいぼうえんきょう)

屈折式望遠鏡天体望遠鏡の形式のひとつです。対物レンズを前面に配置することによって光を集めます。これは虫めがねと同じ原理です。

屈折式天体望遠鏡の最大の弱点は色収差により星の色がにじんで見えることです。これを防ぐために、特性の違う2枚のレンズを組み合わせて色収差をおさえるのが普通です(アクロマートレンズ)。

アクロマートレンズを発展させ、レンズを3枚以上用いたり、EDレンズ、SDレンズ、フローライトなどという特殊なレンズを使用し、色収差をほとんど完全に抑えたものもあります(アポクロマートレンズ)。しかし、残念ながらこのようなレンズは非常に高価です。

屈折式天体望遠鏡は対物レンズで鏡筒がフタをされた格好になっているため、筒内気流が起こらない点では反射式天体望遠鏡よりも有利です。安定した像が得られるため、惑星の細かい模様の観測や二重星の観測などで好んで用いられます。また衝撃にも強くて光軸がずれにくいため、メンテナンスが楽なのも利点です。

同じ口径で比較した場合、屈折式天体望遠鏡の方が反射式やカタディオプトリック式よりも高価です。

天頂方向(頭の真上方向)を観測すると、接眼部が低い位置にきます。このままだと観測姿勢が苦しくなりますから、光の進路を90度曲げる天頂プリズムという付属品を使って観測します。

天体望遠鏡の鏡筒の形式も合わせてご覧ください。

関連用語:対物レンズ 天体望遠鏡 反射式天体望遠鏡 天頂プリズム

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