天体望遠鏡で天体観測をしてみよう

 さあ、天体望遠鏡を購入して、事前準備もバッチリ完了しました。いよいよ天体観測ですが、その際に注意する点などを挙げてみました。

天体望遠鏡を移動する

 通常では、まず観測場所まで移動しなければなりませんが、この時に鏡筒をぶつけないように注意してください。強い衝撃を加えると光軸が狂って調整が必要となる場合があります。

注:架台が赤道儀式の場合には北極星が見える場所へ移動する必要があります。

極軸を合わせる(赤道儀式の架台の場合のみ)

 架台が経緯台式の場合は移動したらそのまますぐ使えますが、赤道儀式の場合は極軸合わせをする必要があります。極軸合わせとは、望遠鏡の回転軸を地球の自転軸方向に向けることです。極軸合わせをしていない望遠鏡は星の追尾ができないばかりか、経緯台式の天体望遠鏡よりも扱いづらくなってしまいます。

極軸望遠鏡がある場合

 セットの方法はメーカーによって異なります。極軸望遠鏡の説明書にしたがってセットしてください。よくわからなければ、次の「極軸望遠鏡がない場合」の方法でもとりあえずはよいでしょう。

極軸望遠鏡がない場合

 赤道儀に付いている目盛環のうち赤緯用の目盛環を使います。まず赤緯クランプを緩めて目盛環の数字が90度になるように望遠鏡を回転させてから固定します。この状態で三脚や架台ごと回転させて北極星がファインダーに入るようにします。次に極軸合わせ用の微動装置(赤経・赤緯用の微動装置ではない!)で調整し、ファインダーの中心に北極星が見えるようにします。

月を観測してみよう

 準備は完了しました。天体観測することのできる天体はいろいろとありますが、やはり初めは月を観測するのが良いと思います。月は明るくて大きいため、初心者でも導入しやすいからです。しかも他の天体に比べてケタはずれに大きいため、クレーターの細部まで見えて大迫力です。きっと感動すること間違いなしでしょう。

 いきなり高倍率でクローズアップして観測したくなりますが、初めは低倍率で月を導入し、拡大したい部分を視野の中心へ移動してから倍率を高くするようにします。高倍率にすると視野が狭くなるため、いきなり導入するのは難しいからです。

 月のクレーターは見えましたか? それとも見えなかった? 月のクレーターは見やすい時期があります。つまり、三日月から半月過ぎくらいまでしか見ることができません。満月をいくら眺めて見ても、クレーターはハッキリとはわかりません。理由は「天文用語ミニ解説」の中にあるを参照してください。

※「つるちゃんのプラネタリウム for Javaアプレット」の中にある「月齢カレンダー」で三日月〜半月になる日を探しておきましょう。