しぶんぎ座流星群

 しぶんぎ座流星群は3大流星群の一つに数えられる大きな流星群です。しかし、しぶんぎ座流星群はピークが鋭いため、ペルセウス座流星群やふたご座流星群に比べると、当たり外れが大きな流星群となっています。例年、未明から夜明けにかけて輻射点の位置が高くなるにつれて、流星の数が増えていきますから、この時間帯が観測のオススメです。

2017年は条件最良、オススメは1月4日未明

 2017年しぶんぎ座流星群の見ごろは、1月4日に日が変わった頃から夜明けまでです。下の星図は2017年しぶんぎ座流星群の出現をイメージしたものです。といっても一度にこれほど多くの流星が見られるわけではありません。それでは条件を詳しくみていきましょう。
 
 しぶんぎ座流星群はピークの時間帯が短い流星群だけに、特に極大時刻が重要です。2017年の極大時刻は1月4日23時ごろと予想されています。日本ではしぶんぎ座流星群の輻射点がちょうど昇ってくる頃です。これから輻射点が高くなってきますから、極大時刻の条件はかなり良い方です。
 
 次に月の条件です。下の星図にある1月4日3時の月齢は6.5です。半月よりも細い月は、東京では前日の22時32分に沈みます。夜明けまで月明かりの心配をしないで流星観測に打ち込めますから、月の条件は最良です。
 
 このように、2017年のしぶんぎ座流星群の条件は最良に近いものがあります。1時間あたりに最大で40個程度の出現が期待できそうです。2015年、2016年と条件が悪くて不調だっただけに、2017年は3大流星群の一つらしい活発な流星出現に期待しましょう!

2017年1月4日3時ごろ、しぶんぎ座流星群をイメージした星図

2017年の流星出現イメージ図

 以降ではしぶんぎ座流星群の特徴など、全般的なお話しをします。

天体観測の事始め

 明けましておめでとうございます! まだまだ正月気分が抜けない1月4日の未明に、しぶんぎ座流星群が極大を迎えます。「毎年天体観測の事始めは、しぶんぎ座流星群」なんていう方もおらるのではないでしようか。

1月4日4時頃  流星の出現イメージ

しぶんぎ座流星群の出現イメージ

しぶんぎ座ってどんな星座?

 しぶんぎ座は現在は実在しない星座です。しぶんぎ座はフランスの天文学者ジェローム・ラランドが18世紀の終わりごろに作った「壁面四分儀座」のことで、実際にしぶんぎ座という星座が存在していました。しかし、しぶんぎ座は1928年に、現在の88星座が確定された際になくなってしまいました。他にも良く似た名前を持つ星座として、はちぶんぎ座(八分儀)、ろくぶんぎ座(六分儀)という星座があり、現在でも正式な星座として登録されています。
 
 現在、しぶんぎ座流星群の輻射点(放射点)がある領域はりゅう座になります。しかし、以前はしぶんぎ座であったことや、りゅう座を輻射点に持つ流星群が他にも存在することから、今でもしぶんぎ座流星群と呼ばれています。りゅう座ι(イオタ)流星群とも呼ばれることもありましたが、2009年の国際天文学連合(IAU)で名称が確定され、しぶんぎ座流星群が和名の正式名称となりました。

りゅう座ってどんな星座?

 先に書いたように、しぶんぎ座流星群の輻射点はりゅう座にあります。「でも、りゅう座なんていう星座は聞いたことないよ」という方がおられるかもしれません。りゅう座は北の空にあって、常に星座の一部は見えているはずなのですが、これといって明るい星がなくてあまり目立ちません。でも、全天で8番目の面積を持つという大きな星座なんですよ。

しぶんぎとは

 ところで「しぶんぎ」とは聞き慣れない言葉ですね。しぶんぎ座を漢字で書くと四分儀座となりますが、これは天体の位置を測定するのに用いられた道具です。2012年の映画「天地明察」では四分儀(象限儀)が登場しました。右の写真は実際に撮影で用いられた四分儀(象限儀)の写真です(大阪市立天文科学館にて、つるちゃん撮影)。赤い部分の右端から覗いて北極星の位置を合わせ、北極星が見える角度を測定したのです。

輻射点の位置と見える方角

 しぶんぎ座流星群は、りゅう座ι星の方向から流星が飛んでくるように見えますが、細かく言うと輻射点(放射点)はりゅう座とうしかい座の境界付近になります。注意してほしいのは、流星は全天にまんべんなく出現するということです。なにも、りゅう座にしか現れないわけではありませんから注意してくださいね。

観測する時間

 輻射点の方向は23時から0時頃にかけて北東の方角から昇ってきますから、0時以降に観測するようにします。しかし、高度が高くなってくるのは3時頃からで、夜明けにかけてぐんぐんと高度が高くなります。夜明け前頃が一番観測条件が良くなりますから、夜半過ぎから夜明けにかけて観測するのが良いでしょう。

活動期間

 1月1日から活動を開始し、1月7日頃に終了します。極大日は1月4日未明となることがほとんどです。

極大予報

 2014年から2040年までの太陽黄経による極大予報を表にまとめました。極大時刻は1時間以内の誤差を含みます。
極大日の時刻 極大時の月齢
2014年 1月4日05時 2.4
2015年 1月4日11時 13.0
2016年 1月4日17時 23.9
2017年 1月3日23時 5.3
2018年 1月4日05時 16.6
2019年 1月4日11時 27.8
2020年 1月4日18時 9.2
2021年 1月4日00時 19.9
2022年 1月4日06時 1.1
2023年 1月4日12時 11.7
2024年 1月4日18時 22.4
2025年 1月4日00時 3.7
2026年 1月4日06時 14.8
2027年 1月4日13時 26.1
2028年 1月4日19時 7.6
2029年 1月4日01時 18.6
2030年 1月4日07時 29.3
2031年 1月4日13時 10.4
2032年 1月4日19時 21.0
2033年 1月4日02時 2.3
2034年 1月4日08時 13.2
2035年 1月4日14時 24.4
2036年 1月4日20時 5.9
2037年 1月4日02時 17.1
2038年 1月4日08時 28.0
2039年 1月4日15時 9.2
2040年 1月4日21時 19.8

3大流星群のひとつ

 しぶんぎ座流星群は、ペルセウス座流星群ふたご座流星群とともに、3大流星群のひとつに数えられています。しかし、他の二つほど出現数は安定していません。

出現数

 条件が整えば1時間あたり最大で40〜60個くらいの流星を数えることができるでしょう。しかし、年によって当たり外れが大きな流星群であり、出現数にバラツキがあります。観測される際の条件を確認しておきましょう。

鋭いピーク

 流れ星のもととなるチリの帯の軌道は、地球の軌道と71度という直角に近い角度で交差しています。このため、地球はチリの帯を短い時間で通り抜けてしまいます。ですから極大のピークが鋭いのが、しぶんぎ座流星群の特徴です。極大となる時間帯はピークをはさんで前後1時間から4時間程度しか続きません。したがって、うまく極大の時刻が観測時間帯に合うと多くの流星を観測することができます。しかし、極大の時刻から少しずれてしまうと流星の出現数は少なくなり、鳴かず飛ばずの流星群となってしまうこともあります。そういう意味でしぶんぎ座流星群は、当たり外れの大きい流星群ということができます。

流星の性状

 流星のもととなるチリは41Km/秒の速度で地球へ飛び込んできます。これは流星の速度としては特に速いというものではなく普通の速さです。ですから中くらいか、ややゆっくり目の速度で流れます。派手さはありませんが明るいものも多く飛びますから、観測しやすい流星群といえるでしょう。

母彗星

 しぶんぎ座流星群をもたらすチリをまき散らしている母彗星は、現在のところ確定されていません。ひつの可能性として、96P/マックホルツ彗星や、小惑星2003EH1、さらにはヘール・ボップ彗星の名前もあがっています。

過去の記事

 過去に当サイトで紹介した記事をしぶんぎ座流星群 過去の記事のページでまとめました。もしよろしければご覧ください。

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ホゲ: おい、起きろよ。流星群が見れなくなるぞ。
つる: う〜ん。眠いよ〜。
ホゲ: HPで「天体観測の事始め」なんて書いとったけど、ウソとちゃうやろな。
つる: あ〜、いや〜、その〜。でもやっぱり眠い!!
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その他、流星群を観測するためにも参照してください。