華やかなペルセウス座流星群の極大を過ぎ、まもなくしてから、はくちょう座κ流星群(κはカッパと読みます)が極大を迎えます。しかし出現数は1時間あたりに最大でも3個から5個程度しかなく、寂しい小さな流星群です。はくちょう座κ流星群は単に、はくちょう座流星群とよばれることがあります。
2025年のはくちょう座κ流星群は、8月17日に空が暗くなってから3時間ほど、良い条件で観測することができます。
17日21時の月齢は23.7で、下弦の翌日です。東京で23時14分に月が昇ってくると、以降は月明かりの影響を受けてしまいますが、月の条件はまずまずです。空が暗くなってから月が昇るまでの3時間ちょっとが、流星観測の勝負です。
極大時刻は17日の9時ごろです。輻射点の高さが最も高くなる時間帯から半日ずれていますし、そもそも昼間にあたりますので、条件は良くありません。といっても、もともと出現数が少ない流星群ですし、極大が8月上旬になる年もあるような、いい加減な流星群でもあります。極大時刻を気にしてもあまり意味がないかもしれません。
下の星図は8月17日の21時ごろに、東京で見た場合の流星出現イメージです。流星が飛び出す方向にあたる輻射点(放射点)が一番高い位置にありますから、多くの出現が期待できます。しかし、はくちょう座κ流星群は小さな流星群です。1時間あたりに見られる流星数は最大でも5個程度ですから、出現数は期待しない方がよいでしょう。
はくちょう座κ流星群は、ゆっくりと流れて末端で爆発するのが特徴です。一度見るととても印象に残りますので、がんばってご覧になってください。
はくちょう座κ流星群の出現イメージ |
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はくちょう座κ(カッパ)流星群は、はくちょう座κ星付近から流星が飛び出すように見えることから、このようによばれます。流星が飛び出す輻射点(放射点)は、りゅう座との境界付近です。このため、以前はりゅう座流星群とよばれていたこともありました。なるほど、はくちょう座κ星は白鳥が広げた羽の先端部分に位置しており、すぐ近くに竜の頭が見えます。
活動期間は8月8日から8月25日です。最も流星が多く流れる極大日は、例年8月18日頃です。ペルセウス座流星群の活動期間と重なっており、同流星群の極大を迎えた後に、はくちょう座κ流星群が極大となります。
はくちょう座は夏を代表する星座の一つです。それだけに時期的にはピッタリで、輻射点が夕方から夜明け前まで一晩中見えています。ですからほとんど一晩中、流星観測することができます。
東京の場合ですと、極大日に輻射点(放射点)が南中するのは22時頃ですから、この前後がベストな時間帯です。といっても月明かりのない時間帯を選ぶことが大切で、そちらを優先すべきでしょう。もともと出現数が少なく極大がはっきりしない流星群ですから、極大時刻はそれほど意識する必要がありません。
輻射点が南中する頃は輻射点の高度が60度を超えていますから、全天にわたって流星が流れます。特にどちらの方向が良いということはありませんので、全天をまんべんなく見渡すのがベストです。しかし夜明けが近づくにつれて、はくちょう座が西へ傾いていきます。それとともに輻射点の高度も下がってきて、観測条件が悪くなります。
はくちょう座κ流星群に属する流星は、地球へ飛び込む速さは秒速25Kmくらいです。ずいぶん速いように思いますが、流星としては遅い方で、ゆっくりと流れます。また、末端で増光して爆発する特性を持っており、特徴ある流星群といえます。
流星の出現数は1時間あたりに最大で3個から5個程度しか見られません。根気良く観測しましょう。
流星の出現数は7年周期で増加する傾向があると言われています。次回は2021年になります。